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ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語
■■SAO編 主人公:マルバ■■
ありふれた冒険譚◆冒険の始まり
第九話 武具屋リズベット
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重さは小さめでいいから、正確さと素早さに特化したやつ。丈夫さは並程度で、リーチは短くて構わないよ」
「了解。このインゴットならうまくいけばこの層では最高級のができると思うわよ。あたしのスキル熟練度はまだそんなに高くないからうまくいかなくても文句言わないでよね。いい?」
「うん。よろしく。」

店主はインゴットを炉から取り出し真剣な視線で一瞥すると、ハンマーを振り上げる。カーン、という音と共に青色の火花が散った。二度、三度、四度。十三回目の一撃でインゴットは輝きを変えた。小ぶりの短剣に姿を変えるのを軽剣士と鍛冶屋は息を飲んで見つめる。二人の視線を浴びながら、武器は完成した。



「ふう。変な形の武器ね。攻撃力は……予想通り、あんまり高くないわね。敏捷力はかなりあるけど、それでもこのインゴットにしては低め。うーん、期待したほどよくなかったかな……、っ!?」
剣のプロパティを見ていたリズはそこで驚いたように目を見張る。

「これ、耐久値の最大値が半端じゃない。何時間戦っても刃こぼれしないでしょうね。それに幸運の値にすごいボーナスがあるわよ。祝福効果も最初からかかってるわ。ちょっと、これ何個特殊効果付いてるのよ……。なになに……?武器防御スキル効果にボーナス、投剣として使った時の耐久値減少半減・命中精度上昇、スキル冷却時間(ヒーリングタイム)-30%。あと、ええと、短剣装備時の素手攻撃にボーナス。」
「うわ、なにそれ。チートすぎない?」
「でも攻撃力低いしかなり使い手を選ぶ武器よ、これ。使いこなせそう?」
「うーん、僕けっこう装備した短剣投げたりするから使えるかも、これ。」
「あ、よく見たらこれ短剣だけど投剣のカテゴリにも含まれてる。複属性武器ってやつなのかな、あたしも初めてだわ、こんなの。サブカテゴリは《片刃円月輪(チャクラムナイフ)》ね。聞いたことある?」
「チャクラムは第二層のボス攻略でかなり活躍したって聞いたけど、僕は参加できなかったからね、あんまり知らない。チャクラムナイフなんて聞いたことないよ。」
「プレイヤーメイドの武器だとたまに二つ以上の別の種類のスキルが使える複属性武器ができることがあるって聞いたけど、あたしも実際に見たのは初めてよ。これは情報屋で買った話だけど、ベータテストの時には細剣+直剣でサブカテゴリ《レイピアソード》とか投剣+爪で《スローナックル》なんてのができたらしいわ。」
「スローナックルって……どんな武器だろ、それ。」
「さあ……」

二人はスローナックルなる武器が使われるシーンを想像してみる。
マルバの脳裏に、手から次々と発射される爪が浮かぶ。

「……役に立たなそうだね。」
「……実際に使ってるとこが見てみたいわ……」

二人揃ってため息。

「これもかなり独特な武器
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