出会い
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言えば、頭を垂らしているのではなく、頸部を引き裂かれて、頭部が、文字通り、首の皮一枚の状態でぶら下がっているコボルトと言うべきか。
生々しい傷口は何度も切り付けられたように荒くえぐれていて、主の絶命に気付いていない心臓が脈打つ度にその傷口からは鮮血が溢れ出る。
その光景は神々の一部のマニアが見れば『スプラッタキタァァァァァァァ(・∀・)ァァァァァァァッ!!』と歓喜するようなそれだった。
知らぬ間に仲間を殺されていたことに動揺するも得体の知れない恐怖が得体の知れたそれに変わったために少し冷静さを取り戻したコボルトの群れは統率を復活させ、一斉に仲間の仇と思われるヒューマンの少年に唸りを上げた。
『ギャ』『ガッ』
が、一瞬で四つの唸り声の内の二つが悲痛な鳴き声とともに途絶える。
その二頭のコボルトの腹部と背部に短刀が突き立っていた。
そして、投げた体勢のままのデイドラの両手には短刀が消えていた。
――言うに及ばずのことだが、デイドラが短刀を正面のコボルトに投擲したのだ。
ただ特筆すべきが、デイドラの動きが目に留まらぬほどに速く、コボルトは痛覚によって初めて攻撃を受けたことに気付いた、ということだろう。
残りの二頭のコボルトは仲間の鳴き声を合図にしてここぞとばかりに背後から丸腰のデイドラに殺到する。
しかし、デイドラは慌てることなくおもむろに振り返ると、背に手を回して腰につけていた短刀を鞘から抜いた。
そして予想外のことに止まり切れずに並んで間合に入った二頭のコボルトの間を縫うようにして通り過ぎ様に凪ぐように一閃した。
完全に擦れ違った一拍後に、コボルトの側面に紅い線が浮かび上がり、血が噴水のように噴き出した。と、同時に魔石ごと両断され二頭は灰となり、風に吹かれて、散った。
それを確認するように少しの間を置いて、デイドラは振り向くと、すたすたともがき苦しむ二頭のコボルトに歩み寄る。
そして、ゆっくりと足をあげると胸部にのせた。
すると、もがき苦しんでいたコボルトはデイドラの足から逃れようと四肢を動かした。
が、やがてデイドラ足がコボルトの躯に完全に埋まり、骨の折れる音がルームに響きはじめたときには、四肢は動きを止めていて、代わりに躯が痙攣し、何かが砕けたような一際大きい音とともに灰と化した。
仲間の死を知ってか、残ったコボルトがもがきながらもデイドラからできるだけ離れようと這いずった。
だが、逃れられるはずもなく、デイドラは無慈悲に死を宣告するように足をのせる。
先程の過程を巻き戻し再生するようにデイドラはコボルトを灰に帰すと、二つの灰の山に一瞥も与えず、少女の方に向き直り、先刻の冷酷無比な一方的殺戮からは想像できないような穏やかな目で見詰めた。
少女も
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