アイングラッド編
紅き剣閃編
The Crimson Sword Line ―紅き剣閃
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居るだろ。当に今、お前の後ろに。
「キリト君」
さっきキリトの動向を知らせた《あて》は、何やらはずんだ足取りで店に入ってきた。
「シェフ捕獲」
左肩に触れたままの手を素早く掴むと、振り向き様にそんなことを言う。まあ、これでキリトはSレア食材は食べれるだろう。
俺?この状況で邪魔するのは野暮だぜ。
「エギル、こっちの取引は無くなりそうだから俺が先にやっていいか?」
「おう」
俺は自分で使用しないであろう素材やアイテムを選ぶとトレード欄に移す。
「500でいいぞ」
「毎度……あのなあレイ、いつも言ってるが、こんな大量の素材を500なんかで売っちまっていいのか?破産すんぞ」
「ポーションとかはダメージ食らわなきゃ使わないし、収入はクエストやプレイヤーからの依頼で得てるから問題ない」
「ダメージ食らわなきゃいいって……。まあ、お前が言うなら大丈夫なんだろうが。……無茶すんなよ?」
「わかってる」
事実金には困ってない。いならないものを全て換金すればそれなりの額にはなる。ポーション類だってごく稀だが、モンスターからドロップする事もあるのだ。
自己犠牲ではなく、本心だ。最近は忘れかけていることが多いが、俺の本当の目的は1人でも多くのプレイヤーを生き残らせること。
中層への支援もその一貫だし、レッドへの対処や旅団システムを利用したギルド間の連携の調停、最速の攻略のために最前線で戦い続けるために日々のレベリング。
やることは多いが、全て必要なことだ。それを滞らせたらまずい。その為に無茶は禁物だ。
だがまあ無理しているのは変わりないので、時期をみて休もうかと検討していると、
「ア……アスナ様!こんなスラムに足をお運びになるだけに留まらず、素性の知れぬ奴を自宅に伴うなど、と、とんで「うるさいですよ。クラディールさん」……」
どうやらキリトを自宅に招待しようとしたアスナを護衛その1が止め、それをその2が遮ったらしい。ナイスその2。
「みっともないっすよ。こんなオープンスペースでシャウトするなんて。いいじゃあありませんか、帰れば。てか、正直めんどいし。というわけでお疲れっす副団長」
うん、本音がさらっと混じったな今。中々イイ性格をしていると見た。
「ロイド!貴様、アスナ様の護衛を何だと……」
「……暇潰し?」
ぶっちゃけた。こいつやるな!
俺とキリトは笑い出すのをこらえるために咳払いをし、アスナは複雑な表情で成り行きを見守っている。
「な、何だと……」
「クラディール、このヒトは、素性はともかく「ブホッ」……コホン、腕は確かだわ。多分あなたより10はレベルが上よ」
すまん。堪えられなかった。
「何を馬鹿な!私がこんな奴に劣るなどと……そうか……手前、た
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