After21 鳥なき星のコウモリ @
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
? 帰せ。帰せよ! 俺を地球に帰せよぉ!」
――カラスインベスだったクラスメートは言った。どう名乗っても自分たちはしょせんインベス。ヘルヘイムの果実を摂取しなければ餓死する。
『帰ったって、あなたはもう地球で生きていける体じゃない』
オーバーマインドの食糧確保を許すということは、地球に再びヘルヘイムの侵略を許すことを意味する。
そうさせないために、紘汰と舞は地球からヘルヘイムにまつわるモノを連れてこの星に来たのだ。
『これ以上の地球へのオーバーマインドの侵入は、僕たちアーマードライダーが許さない』
「……助かった奴はいいよなあ。自分だって同じ穴のムジナだってのに、たまたま運がよかっただけで人間面できるんだからさあ」
河守はコウモリインベスへと変異した。
『取引したんだよ。ロードと。ここでお前らを始末したら、次に地球に行く便には俺を乗せてくれるってな。俺は地球に帰るんだ。帰るんだ!』
龍玄は自分に言い聞かせた。
――今までのインベス退治と同じだ。インベスが人間と分かった後も、自分は躊躇なくインベスを屠ってきた。できないはずがない。
『――ここは僕が引き受ける。二人は先に行ってください』
能動的に空を飛べるヒマワリアームズならば、舞、ひいては碧沙に何かあっても、守れる可能性は龍玄より高い。
早く舞を本当の体に戻してやりたい気持ちと、妹の体を案じる気持ちを合わせて、龍玄は舞と月花を先に行かせるという選択をした。
カッティングブレードを1回切り落とす。
《 ブドウスカッシュ 》
龍玄はコウモリインベスに銃口を定め、トリガーを引いた。
着弾したエネルギーショットにコウモリインベスが身悶える。
『今の内に!』
舞は不安いっぱいに龍玄を見つめていたが、やがて月花の手を取ってコウモリインベスを追い越して行った。
『逃がすかよ!』
『行かせない!』
龍玄はコウモリインベスの進行方向に飛び出し、再びブドウ龍砲を撃った。
『ぐっぞぉ……てめえには良心ってもんがねえのか! 同じ地球人だぞ!?』
『可哀想だとは思う。けど、それとこれとは別問題だ』
怒りに火が点いたのか、コウモリインベスが飛び上がった。
コウモリインベスは右へ左へ自在に飛び、鉤爪で龍玄を裂いた。その動きに追いつけるほど龍玄はまだ無重力空間に慣れていなかった。
『このっ!!』
視界にちら、とでもコウモリインベスが入れば銃を撃つが、全く当たらない。
翻弄されている。
もう何撃目か。コウモリインベスが龍玄に迫る。
しかし、鉤爪が龍玄を抉ることはなかった。
目の前に不可視の壁でもあるように、コウモリインベスはそれにぶつかり、龍玄か
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ