sts 04 「新たな力と目覚める竜」
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下がりながら回避して、追撃しようとしてくる腕に向かって魔法を放つ準備をする。
「フリード、ブラストフレア……ファイア!」
フリードから放たれた火球は真っ直ぐガシェットの腕に向かった。だが大型だけあってパワーも装甲も段違いなのか、いとも簡単に跳ね返されてしまう。
エリオくんがストラーダに電気を纏わせながら斬りかかっていく。だけど破壊するどころか、傷ひとつつけることができなかった。直後、ストラーダに刃に纏っていた電気が消滅。距離を取っていたはずのわたしまで魔力が乱される感覚に襲われた。
「これは……」
感覚からしてAMFに間違いない。でもこんな遠くまで届くなんて……これじゃあ上手く魔法が発動できないよ。
魔法が使えないのはエリオくんも同じらしく、生身で大型とガシェットと交戦している。けど体格的にも彼のほうが不利であり、敵のほうが優勢に見える。助けたいと思うけど、わたしの魔法は補助が中心。近接戦闘が出来るわけでもないため、それが封じられている状態では何もできない。
「あの……」
「大丈夫、任せて!」
元気な声が返ってきたけど、攻撃が通らないため防戦を余儀なくされている。
エリオくんは近距離からの光線は見事に回避したけど、着地した瞬間に機械の腕で殴られ壁に打ちつけられた。それを見た時、わたしの脳裏にある記憶が蘇る。
わたしは昔アルザス地方に住んでいた。けれど強い力は災いを呼ぶということで部族を追放され、その後は管理局に保護されて育った。けど竜達の力を制御できなかったため、その恐怖からか優しい言葉を掛けてくれる人はいなかった……あの人が来るまでは。
あの人……フェイトさんと出会ってわたしの人生は変わった。昔のわたしには居ちゃいけない場所があって、しちゃいけないことがあるだけだったけど今は違う。
「うわぁぁぁっ!?」
エリオくんの悲鳴に意識が戻される。車両の天井がこじ開けられたかと思うと、機械の腕に包まれた彼が姿を現し、空高く放り投げられた。
瞬間的に脳裏に走るエリオくんとの日々。出会ったのはほんの2週間ほど前だけど、それでもわたしにとって大切な記憶。
気を失っているのかエリオくんは風に流され落下していく。わたしは、気が付けば彼の名前を呼びながらリニアレールから飛び降りていた。
――守りたい……優しい人達を。わたしに笑いかけてくれる人達を……自分の力で守りたい!
エリオくんの手を掴んだ瞬間、わたしの意志を感じ取ってくれたケリュケイオンが魔法を発動させてくれて落下速度を緩めてくれる。わたしは彼をそっと抱き締めると、近づいてきたフリードに話しかける。
「フリード、不自由な思いをさせてごめん。わたし、ちゃんと制御するから……行くよ竜魂召喚!」
今までは怖くて使おうと思わ
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