暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜黒の剣士と青白の童子〜
SAO編
道中にて
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しばし無言で考え、アスナは再度呟いた。
「……本物は、どんな感じなのかしら」
「へ、ほ、本物?」
怪訝そうな視線を向けてくる片手剣士に、自身のイメージを説明する。
「つまり、この世界みたいなファンタジー世界が実在するとして、そこを冒険する一団が、怪物やら魔王やらを倒しに行くとして。 道中彼らは、どんな話をするのか……それとも押し黙って歩くのか。ってこと」
「………………」
剣士が妙な間を作って黙るので、アスナはようやく自分が子供っぽい疑問を口にしていたことに気づく。
顔を背け、「やっぱりいい」と言おうとしたところで剣士が口を開き、言葉を発そうとする。
しかし、それよりも早く、アスナ達の数歩前を歩いていたレイとミトの方から答えが出た。 答えたのはミトだった。

「その隊の規律にもよるだろうが、大体は世間話でもするだろうな。 それこそ、友人と遊びに出掛けているかのような感覚でな」

真剣に喋る彼を意外だと思いつつ、妙に納得させられる声だと思った。もしかして実体験? まさかね。
出鼻をくじかれた片手剣士はミトに繋げるように話した。
「そうだな、いつかはこの攻略レイドま、いずれはそんなふうになると思うよ。 ボスへの挑戦を、日常にできればね」
「……ふ、ふふ」
剣士の言葉が素直におかしくて、アスナは小さく笑ってしまい、すぐに言い訳気味に続ける。
「御免なさい。でも……変なこと言うんだもの。 この世界で日常だなんて」
「あははっ、そうだね、でも、今も日常と大して変わらないでしょ?」
それまで話を聞いているだけだったレイが微笑みながら振り向く。
その言葉にアスナとキリトは一瞬キョトンとしたが、すぐに笑みへと変わった。
いつの間にか迷宮区までたどり着き、先頭のパーティーから中に入っていく。 私たちのパーティーもそれに習い、レイ、キリト、わたしと中へと進んでいく。





「お前らには……るか? 人が…ぬか……が」


「何か言った?」
何か聞こえた気がして振り返るが彼は首を振った。
「なにも。さっ、行こうぜ」



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