第五章 過去との決別 〜ミッドチルダ J・S事件〜
第五話 六等星の夜に
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去を聞きました」
それが、こっちに来てからのことだけでないことは理解できた
そして、それだけでもうこのあとの展開を予測できた
ティアナが顔を上げて、俺の目を見る
ーーやめてくれ
そして一歩ずつ、俺に歩み寄ってくる
ーー否定しないでくれ
俺は動けなかった...
ーー頼む、頼むから、これ以上はヤメテくれ
俺は、ここから先のことから目をそらしたくて、瞳を閉じた
ぎゅっ...
でも、俺が感じたのは温もりだった
「蒼炎さん、感じますか?私の体温」
ティアナは俺に抱きついていた
「当たり前だろ...?」
「私も感じます。蒼炎さんはここにいますよ」
......................
俺は、呆然としていた。その言葉は、予測してなかった。そうか、ティアナは
「貴方の行動を、私は否定しない。でも、行動原理は否定します。だって、蒼炎さんはここにいるじゃないですか。だから、他の人より傷ついてもいいなんて、認めません」
俺のことを.......ちゃんと見てくれてるのか....。そう言ってくれるのは、嬉しい、嬉しいよ。だけど
「でも、俺は.....大事な人を二度もこの手にかけた...!」
「それを赦すか赦さないかは蒼炎さんが決めることじゃないです。その人たちは、なんて言ってましたか?」
思い出そうと意識しなくても、覚えていた
忘れるわけがない。最後の光景と共に、俺の脳に、体に焼きついている
「気にするなって....。一緒にいてくれて、ありがとうって...。送られたのは、感謝の言葉だった...」
「なんだ、赦されてるじゃないですか。でも、それでも、蒼炎さんが、ここにいないって思うなら...」
「私が、貴方の居場所になります。貴方の証明になります」
ーーーーーははっ...
「はははっ....。そっか、そうだったのか」
俺は、やっと気がついた。笑いが止まらないや
「こんな、十数年しか生きてない小娘に、見透かされるかぁ」
それは、自分自身では見えなかった心の海の深淵
「今さ、その言葉聞いて、嬉しいって思ってしまったんだ。その瞬間悟ったよ。俺は、大切な人が欲しかったんじゃない。俺を認めてくれる人が欲しかったんだ。受け止めてくれる居場所が欲しかったんだ。なんて、我儘なんだろうな」
目を開ける。俺の前には、涙を一筋流すティア
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