第2話 気になるあの娘は吸血鬼?
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そうに横たわっている。
「イッセー!?」
昨日初めて出会って目の前でいきなり泣いてしまった最悪の出会いだったけど、クラスメートとして新たに仲良くなるはずの彼が死にかけているのを見て何も思わないほど私は非情じゃない。
「ダメだ!俺に構うな!!」
それを見たイッセーは自分が一番苦しいはずなのに私を逃がそうとそんな事を言ってくれる。
そんな彼を見て私はさらに思いを強くする。
「絶対助けるよ!!」
化け物はその言葉にケタケタと笑うが………その表情を凍りつかせた。
何故なら………私の右手には杖にも似たナニかが全てを燃やし尽くさんばかりの業火を撒き散らしながら突然現れたからだ。
「禁忌………レーヴァテイン」
私はその剣の名前を呟きながらゆっくりと化け物に向かって歩くと化け物は慌てたように足元に倒れていたイッセーを人質にしようと身を屈めようとする。
しかし………その行動は吸血鬼の私にとってはあくびが出るほど遅く感じた。
「終わりだよ」
私はそう言って化け物の脇をすり抜ける。
すると化け物の首と胴体が別れて燃え上がり、断末魔の悲鳴をあげる間もなく燃え尽きた。
その一瞬の出来事にイッセーは目を丸くして腹部の傷から血が流れていることを忘れてしまったように口を開けてポカンとしている。
「イッセー大丈夫?」
私はレーヴァテインを消して今だに放心状態のイッセーに手を差し延べると
「君はいったい………何なんだ?」
イッセーはそう言って私を見つめてきた。
だから私は廃墟の天井の隙間からこぼれる月明かりを背景にしながら宝石みたいな飾りの付いた翼を広げ
「私の名前はフランドール・スカーレット………由緒ある貴族の娘にして吸血鬼だよ♪」
笑顔でそういうのだった。
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