第二百九話 もう一人の龍その七
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「見事な城をな」
「そうされますか」
「これで都の東からの道を守り」
「そして淀川、及び南西からの道も」
「守られる」
そこもというのだ。
「そうして結界をな」
「天下の心の臓たる都を守る」
「それをさらに確かに出来る」
「そして織田家としても」
「うむ、わしは安土におるが」
それでもというのだ。
「あの地、大坂じゃが」
「そこにも城を築き」
「西国を治める要と出来る、そして」
「東国にも」
「江戸じゃ」
あの地にもというのだ。
「関東、東国を治める柱はな」
「江戸に築く城ですな」
「うむ、伊達との戦の後から早速じゃ」
「二つの城を築きますか」
「それと金沢の城も整え」
さらにだった。
「姫路にな」
「姫路城も」
「さらによき城にしてじゃ」
「天下の守りの柱としていきますか」
「あとは清洲も」
ここもだった。
「清洲城を付城にしてじゃ」
「そして」
「那古屋、名古屋とするか」
名も変えていた。
「あの地にもじゃ」
「城を」
「うむ、そうしようか」
「また城を多く築きますな」
「それで天下を守り」
そしてというのだ。
「治めていこう」
「東も西も」
「そうじゃ、安土に大坂、名古屋に江戸にじゃ」
そしてだった。
「姫路、そして北ノ庄もじゃな」
「あの城もですな」
「そうじゃ、岐阜も入るが」
そうした城を全て使いというのだ。
「天下を守り治める」
「そうされますな」
「まずは守りじゃ、そして天下を治めてからな」
そして、というのだ。
「気になることがある」
「と、いいますと」
「うむ、南蛮の動きじゃが」
まずはこの者達のことを言うのだった。
「フロイス達はよいにしても」
「他の南蛮の者ですか」
「どの国にもな」
それこそ、というのだ。
「善人と悪人がおるからな」
「だから、ですな」
「南蛮にも悪人がおる、そして」
「その悪人の質が」
「皆の者、このことを言っておく」
ここで信長は周りにいる織田家の主な者達に言った。
「後で信玄、謙信達にも言うがな」
「?殿、それは一体」
「それは何のことでしょうか」
「急に畏まられましたが」
「何をでしょうか」
「何をお話されますか」
「うむ、南蛮の者達は日之本の悪人達とは比べものにならぬ」
こう言うのだった。
「その質の悪さがな」
「と、いいますと」
「本朝の悪人達以上といいますと」
「それは一体」
「どういうことなのか」
「うむ、耶蘇教を押し付けそして耶蘇教でないものは全て壊し殺す」
信長は彼等に剣呑な顔で話していく。
「それも遊びで首を切ったり母親の前で子の頭を岩にぶつけ殺したり犬で八つ裂きにしたりしてじゃ」
「何と、まことですか」
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