暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
sts 03 「初出動」
[1/6]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 機動六課が稼動を始めて早2週間。フォワード達は毎日ボロボロになるまでなのはにしごかれているが、ひとりも欠けることなく訓練に付いて来ている。
 俺はこの日もなのはと共にフォワード達の早朝訓練に付き合った。まあなのはのようにフォワード達と魔法でドンパチするような真似をしているわけではなく、訓練フィールドに不具合が生じていないかといったチェック。フォワード達のデバイスのデータを取るのが主な仕事だった。
 早朝訓練の最後は、シュートイベーションと呼ばれるものが行われた。これは今回の場合で説明すれば、なのはの攻撃を指定時間を回避し続けること。またはなのはに攻撃をクリーンヒットをさせることが勝利というか合格条件だった。毎度の如くフォワード達はボロボロだったが、確実に成長しているらしく、見事になのはに攻撃をヒットさせた。
 のだが、スバルのローラーがオーバーヒートしてしまったり、ティアナのアンカーガンが限界を迎えつつあることが判明。技術者観点から言えば、訓練校時代から自分達で製作し騙し騙しで使ってきたならば当然だと言わざるを得ない。
 ――毎日のように点検はしていたが……なのはの訓練はハードだからな。朝から晩までやっていれば普通に考えられる事態だ。この2週間持ってくれて本当に助かった。

「じゃあ一旦シャワーを浴びて、その後ロビーに集まろうか」

 というなのはの言葉にフォワード達は元気に返事をする。訓練が終わったばかりで疲労はあるはずだが、やる気は満ち溢れているようだ。
 ふと過去を振り返って彼女達と比較してみると、実に俺は元気溢れる少年ではなかった。とはいえ、俺もまだ19歳の若輩者だ。エリオやキャロとは一回り近く離れているが、これが若さか……などとはまださすがに思ったりしない。

「あれ? あの車って……」

 前方から黒のスポーツカータイプが走ってくる。それは俺達の近くで停車し、屋根の部分を消した。顔を出したのはフェイトとはやてである。車に乗っているのがふたりだと分かったキャロは驚きの混じった声を出し、彼女を含めたフォワード達は食い気味で近づいていく。

「すごーい! これ、フェイト隊長の車だったんですか?」
「そうだよ。地上での移動手段なんだ」

 さすがは19歳にしてオーバーSランクと執務官という肩書きを持つ人物である。普通の19歳はこんな車を所持してはいないだろう。
 まあ地球の常識で考えれば、俺も普通の19歳ではなくなってしまうのだが。魔法が使えるわけだし、義母が優秀過ぎる上にワーカーホリック気味だっただけに……あまりこういうことは言いたくないのだが、フェイトの使っている車を買える余裕はあるわけだ。
 しかし、自分が使う車を義母の金で買うような真似はしない。
 あの人は物欲がないというか、金を使おうとしない人だ。昔
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ