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ハイスクールD×D 〜聖人少女と腐った蛇と一途な赤龍帝〜
第2章 滅殺姫の憂鬱と焼き鳥の末路
第41話 禁手
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やら向こうもやる気になったみたいね。まあ私は足止めに徹する気なんだけど。それじゃあ早速
「七閃」
ジュワッ
……あれ?
「無駄だ。貴様には何回も斬られたからな。もうその攻撃のタネは割れている。貴様が七閃と呼んでいるその斬撃は不可視の高速抜刀術ではなく刀の柄頭から伸びる極細のワイヤーで相手を斬っていただけだ。それで今までどんなものでも斬ってきたんだろうが、残念だったな。俺の炎の前では斬る前にワイヤーが蒸発する」
……あらら、まさかこんな早くに七閃のカラクリに気付かれるとは。ちょっとこの間の教育の時に見せすぎたわね。
そう、実際一瞬で七回の抜刀術なんて出来るわけない。七閃は柄頭から伸びる七本のワイヤー、詳しくは七本の極細の触手で斬ってたのよ。この七天七刀を創るとき、私はまず最初にイソギンチャクをイメージした。そしてそこからイソギンチャクの触手を徐々に細く長く強靭に、そして茎の方を徐々に刀に似せて最終的に出来上がったのがこの七天七刀なのよ。
この七天七刀、雑魚相手なら自動で周りを斬ってくれて、さらに相手への威嚇になるから重宝してたんだけど……さすがに上級悪魔の、更にフェニックスには効かないか。ちょっと甘く見すぎてたかな?
「貴様の攻撃はもう俺には効かない。さあ、諦めてそこをどけ!」
「いえいえだからそういう訳にはいかないんですって」
そう言いつつ私は右足を前に、左足を後ろに下げ、右手で刀の柄を握り前傾姿勢気味の抜刀の構えを取った。
「「はむっ」」
「あはん……」
「えいっ」
「んい゛い゛い゛い゛い゛い゛!!」
「……なら!」
そこでライザーは全身から更に炎を吹き出しつつ突っ込んできた。
「フェニックスの業火、その身に受けて燃え尽きろ!」
「火織!」
後ろからイッセーの叫び声が聞こえた。雰囲気からして部長たちも無言の叫びを上げてるわね。まあ当然か。今にも私、炎の雪崩に飲み込まれそうに見えるだろうし。
……全く、皆私を信じてなさすぎ!
ズバンッ!
「な……に……?」
その轟音と共に私の目の前まで迫っていた炎と、その奥にいたライザーが縦に真っ二つになった。そのまま真っ二つになったライザーは勢いのまま私の両側を通り過ぎそうになったから部長たちから遠ざけるよう蹴り飛ばした。蹴り飛ばされたライザーは……さすがにすぐに復活したわね。ただ斬っただけだし。でもその表情は驚愕に染められているわ。
「ど、どういうことだ? 貴様の七閃は俺の炎には効かないはず……」
「ええ、確かに七閃はもうあなたには効かないでしょうね。でもだからと言って私にもう戦う術がないって言うのは早計過ぎません?」
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