ep-1─それは突然に舞い降りて
#01
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や高い機動性で、戦場を瞬く間に制覇していく。
大戦中は人型と陸戦型、そして航空型の三種類が活躍し、一般の人間の兵士たちが生身で戦場に繰り出すことを徐々に徐々に減らさせていった原因でもある。
その、大戦を象徴する戦闘機械が、重機の代わりに工事を行っている。
終戦後に、通常の、《バトロイド型》と呼ばれる戦闘機械ではなく工業機械として運用する《ワーカロイド型》の開発が提案された、という話は聞いていたのだが……まさか、既に採用されていたとは思わなかった。
そもそも、かつての戦闘機械が一般大衆に受け入れられた、という事自体が驚くべきことだろう。
ただ……アバンダンが、ある意味では民衆に感謝されていた、という事も事実なのだ。
前述の通り、アバンダンは生身の人間が戦場に出るという事態を著しく減少させた。開発前よりも一般市民の死者数は確実に減ったらしい。
では、何故アバンダンだけが戦場に繰り出すわけではなかったのか。アバンダンとシェアを二分した、もう一つの存在とは何なのか。
その名を、《運命の担い手》という。
五十年前。新暦1344年に、突如として人類が覚醒した特殊能力、《超越回帰》。身に覚えのない記憶と共に、《運命》に約束された超常の力を授かる、いわば一種の『超能力』である。
形式や内容は千差万別。大きく分けて《事象侵蝕型》、《個体顕現型》、《特殊発現型》に分けられるものの、明確な区分をすることは不可能であり、ロジックも今になってすら解明されていない。
ただ、そんな能力が存在して、人類の命運を大きく変えたのだ、と言うのが、間違えようの無い事実。
《超越回帰》の出現から間もない頃、己こそが最強の担い手であると名乗りを上げる者達が世界中に現れた。それらを平定するために、天から遣わされた、いわば《神々》。
彼らは圧倒的にして冷酷無情。当時の担い手たちは例外なく駆逐されたらしい。
しかし、担い手の出現は止まらなかった。失われたはずの能力すらもが現世へと帰還し、受け継がれていくのだ。
いつしか彼らを中心に国家が制定されるようになり、人類の覇権を掛けて争うようになった。二年前に終結した『あの戦い』もまた、そう言った戦のうちの一つ。八年前から続くその規模は、神々の降臨の後では、歴代最大規模。大量の《担い手》が徴兵され、戦った。
レンも、そんなうちの一人だ。所属する国家の一兵士として、化け物の様な力を持った上位の《担い手》たちと争った。今でも時折思い出す、悪夢のような毎日。
だが、そんな中でも仲間たちと過ごす日々は、それなりには楽しかったと思う。生来、絆を重んじる性格だったから、と言うのも
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