第四十話 木山先生を見送って
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
か分からなかったのよ」
色々とあってかなり特殊ではあるものの、一応俺だって人間なのだから気を抜くこともある。
「凄いんだか抜けてるんだか分からないわね……」
御坂さんが呆れたように呟く。
「凄いのに超抜けてるんですよ」
絹旗さんは何か『超』を付ける位置に悪意を感じる。
「確かに気配が分かるっていうのは凄いんですよねぇ、肝心な時に抜けてますけど」
更に初春さんまで……。ってか、何気に絹旗さんより酷い。
「だから抜いてたって言ってるでしょ! なんか抜けてる抜けてるって、髪の薄いお笑い芸人がおいしいって言いそうな状況みたいな感じっぽくなってるけど、ウチは『元フユキ』でも『ホワイトケチャップの薄杉』でもないんだからね!」
皆から散々抜けてると言われたので、俺もやけくそになってちょっとツンデレ風味で言い返す。ちなみに『ホワイトケチャップの薄杉』は本当は『濃杉』なのだが、髪が薄いことをネタにしているのでいつの間にか『薄杉』と言われるようになり、今ではテレビで紹介される時でも『薄杉』と呼ばれるようになっている。それに対して『濃杉だよっ!!』と返すのが定番なのだ。
「はいはい、それでは私達は支部に戻りませんと……」
「そうですねぇ、木山先生に渡す資料もまとめておかないといけませんし」
俺のことは完全にスルーで白井さんが話を振ると、初春さんも俺のことを完全スルーのままでそれに答える。
「黒子、何か手伝うことはある?」
「いいえ、お姉様。特には御座いませんわ」
白井さんは御坂さんから声を掛けられて答えたが、御坂さんと一緒に居られないからなのか少し気落ちしたようだ。
「そう。じゃ、頑張ってね」
「はいですの! お姉様」
御坂さんからのエールに、白井さんは一気に元気を取り戻していた。
「黒子達は行っちゃったけど、私達はどうする?」
白井さんと初春さんの姿が見えなくなってから、御坂さんは振り返りつつ皆に尋ねる。
「ゲーセンでも行きますか」
「そうねえ、滝壺さん達も来る?」
「うん、行く」
「ゲーセンなんて超久しぶりです」
佐天さんが提案したので俺は滝壺さんと絹旗さんに聞いてみたが、二人ともゲーセンで良かったようだ。
ゲームセンターに到着すると、皆でプリクラを撮ったりクレーンゲームでぬいぐるみを取ったりした。プリクラに関しては当初アイテムの二人が渋っていたのだが、逆に不審に思われるかもしれないと俺が伝え、最近のプリクラは撮影後に加工が出来るようになっているので、ある程度顔に落書きを加えれば身元特定も困難になると教えてからは普通に撮るようになっている。取り敢えず御坂さんのほうは、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ