第四十話 木山先生を見送って
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たんですか?」
こっちの話が終わったと察したのか、佐天さんが俺に聞いてくる。佐天さんの前では結局脱がなかったのでまだ信じられないのだろう。
「うん」
「それは超間違いないと思いますよ」
俺がうなずくと、絹旗さんも答えていた。病院では白井さんと一緒に木山先生を注意していたので、脱ぎ女の威力は絹旗さんも充分理解しているのだ。ちなみに俺と御坂さんは、上条さんが逃げ出したあの日にしっかりと理解させられている。
「言われてみれば佐天さんの怪談……というか都市伝説の話と一緒で、何の前触れも無くいきなり脱いでましたわね」
俺と絹旗さんが答えたあとで、いつの間にか復活している白井さんが呟く。
「脱いでるところじゃないと写メ撮っても意味ないからなぁ……」
「まー、脱いでるところ撮ったら撮ったで法的に問題がありそうだけどね」
両手を頭の後ろに組んで呟く佐天さんに俺が答える。女同士なら別にかまわないのかもしれないが……いや、木山先生なら男でも「別にかまわない」とか言いそうで怖いが、基本的に外で脱ぐことに問題があるのだ。法的な部分での詳しいことは分からないが、それを撮ったら佐天さんにも問題があるはずなのである。
「だって、普通の時なんて撮ってもただの研究者さんの写真にしかならないじゃないですか!」
「じゃー炎天下の中、木山先生と一緒に歩けば良いよ。割と早い内に脱いでくれるはずだから」
ちょっと強い調子で言ってくる佐天さんへ更に答える。まぁ、法的な部分はともかくとして、いつも初春さんのスカートを捲っている佐天さんには余り驚異では無いのかもしれないので、『脱ぎ女』が見られる状況を教えておいたのだ。
「そしたら多分、佐天さんは写メ撮るどころか速攻で逃げだすわね」
「何でですか?」
俺とは少し違う方向で佐天さんの行動を予測したらしい御坂さんに佐天さんが聞き返す。ちなみに俺の予測では、佐天さんはしばらく周りの様子に気付かないまま写メを撮りまくって、周りの様子に気付いてから逃げ出すという感じである。
「翌日のスポーツ新聞辺りに『変態女子中学生、同性の研究者に路上で露出強要・強制わいせつ!』なんて見出しで載りたいなら逃げなくても良いけどね」
「げっ!」
佐天さんが逃げ出していなかった場合の、新聞の見出し予想に佐天さんは顔を引きつらせていた。なお、『翌日の新聞』ではなく、『翌日のスポーツ新聞』というところがミソである。
「脱ぐことさえなければ普通にいい人なのよね」
「いきなり脱ぐのがなければ本当に有能な研究者なんだろうけどねー」
御坂さんが木山先生に対する評価を言ったので、俺もそれに続けて言う。御坂さんは木山先生がレベルアッパー制作者だということを知らないの
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