第十一話:二刀流/是、射殺す百頭
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にいたコーバッツだ。あれでは助からないだろう。だがこの結末を選び取ったのは彼自身。そこに同情を挟む余地はない。
それよりも、指揮官の無謀な策に付き合わされ、瓦解した生き残りを助ける方が重要である。
同じく、いや恐らくパニック衝動に駆られてだろうが、挟み込むような形でアスナとユメも悪魔へ走り寄る。
「フッ!」
だが到達するのはこちらが早い。素早く悪魔の下へ辿り着くと、逆手に握っていたエスピアツィオーネで右脚を切り裂く。
「固まって行動するな! 軍の連中は各自散開しつつ入り口を目指せ! 退路はオレ達が切り開く!」
指揮官を喪い、統率を失った部隊を立て直すのなら、自らが指揮官に取って代わればいい。そう判断し、レンは軍の手綱を握ることにした。
幸い、今ここにいる軍のメンバー以外は、全員が実戦を幾度となく経験している攻略組の中でも比類なき猛者。
時間を稼ぐだけならば?????
「ぐっ…!?」
勢い増した敵の攻勢に、手からエスピアツィオーネが弾き飛ばされる。すかさず左の手に握ったクリミナルエスパーダで追撃を凌ぐが、目の前の悪魔が何らかの狂騒状態になっているのは明らかだ。
「スイッチ!」
ユメの声に、剣戟で答える。単発重攻撃のヴォーパル・ストライクで悪魔の斬馬刀を弾き返して、場所を譲る。
「セヤァッ!」
繰り出した斬撃に、この間のような迷いはない。薄暗い闇を裂くように、鮮やかなペールブルーが閃いた。しかし直撃したにも関わらず、ボスのHP減少値は微々たるものだ。
「レン! 時間を稼いでくれ!」
このままでは埒があかない。微かな焦りを振り切ると、背後にいたキリトが声を掛けてきた。
後ろに顔を向けると、必死な顔でメニューウィンドウを操作しているキリトの姿があった。
このまま戦い続ければ何れ全滅するのは自明の理。ならば、何か策があるというキリトに賭けてみる方がいいか。
だが、
「ああ。時間を稼ぐのはいいが????」
キリトに頼り切るのは、自分のプライドが許さなかった。
いや、キリトがこの戦いの鍵を握るのは間違いないが、ただの時間稼ぎで終わるつもりは、毛頭ない。
「別に、アレを倒してしまっても構わんのだろう?」
故に、いつも通りの不敵な笑みを浮かべ少年は剣を握り締める。
その余りにも不遜な物言いに、思わずキリトは笑みを浮かべた。
「ああ、勿論だ。ガツンとやってやれ!」
「ふっ…任せろ!」
† †
「スイッチ!」
斬馬刀の一閃を掻い潜って、足止めを続けているユメと入れ替わる。槍の一突きで体制を崩していた悪魔を、左手に握った斧剣で抉り斬る。続け様、間髪入れずエスピアツィオー
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