第十一話:二刀流/是、射殺す百頭
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一度顔を見合わせて、敏捷パラメータで勝るキリト、アスナ、ユメが先行したレンを追った。
「この…バカ共が…っ」
殆どトップスピードのまま、躊躇なくレンは大扉の内部に足を踏み入れた。
床一面、格子状に噴き上げる青炎を躱しつつ、斬馬刀を縦横に振り回すザ・グリームアイズに向けて疾走する。
「ガルッ…ルァァァア!!」
雄叫びを上げ、悪魔が一層大きく斬馬刀を振り被る内に、レンはなんとか倒れ伏している軍の一人の間に割って入る。
「来い…!」
エスピアツィオーネを鞘に戻して、右手に握るは巨大なタワーシールド。直後に襲い来る衝撃を、なんとか受け止める。
「何をしている! 早く転移アイテムを使え!!」
そうこうしている内にどうやらキリト達が追い付いたようだ。
軍と入り口の間に悪魔が陣取っていることから離脱不能と考えたのだろう。すぐ様、転移アイテムで逃げろと指示を出すが????
「だめだ……! く…クリスタルが使えない!」
「チッ…そういうことか…!」
《結晶無効化空間》。迷宮区で稀に見られる極悪トラップだが、ボス部屋に適応されているのは初めてであった。
悪魔の斬撃を受け流しつつ軍のメンバーを見ると、数が二人足りない。クリスタルで逃げられないとなると……恐らくは。
「なんてこと……!」
絞り出したようなアスナの声が耳に届く。しかしそれに返答している余裕はない。
一撃で命を刈り取られそうな重い一撃を、身の丈程もあるタワーシールドを操りその全てを叩き落とす。
「全員……突撃……!」
悪魔がレンを集中攻撃しているのを好機と見たか、HPバーを限界まで減らして倒れている二人を除いた八人を四人ずつの横列に並べ、その中央に立ったコーバッツが剣を翳して突進を始めた。
「バカが…ッ!」
余りにも下策。余りにも無謀。
確かに悪魔は一人に集中して攻撃しているが、奴は全霊をこちらへ向けている訳ではないのだ。
故に。
自身に向けられた敵意に反応してか、悪魔は一際大きな斬撃を以ってレンを弾き飛ばすと、その場で仁王立ちになった。
「くそッ…間に合え!」
盾を仕舞い、エスピアツィオーネを逆手に握る。投擲のソードスキルを発動しようとして、しかしそれよりも早く、地響きを伴う雄叫びと共に、開かれた口から眩い噴気を撒き散らした。
警戒していたブレス攻撃だ。吐き出された息吹全てに攻撃判定があるらしく、無闇に突貫していた八人の勢いが緩む。そこに、すかさず斬馬刀が突き立てられる。一人が掬い上げられるように斬り飛ばされ、悪魔の頭上を越えてキリトたちの眼前の床に激しく落下した。
「こ、のぉォォッ!」
恐らく斬り飛ばされたのは前列中央
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