第十一話:二刀流/是、射殺す百頭
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先した方がいいのかもしれないな」
途中から何故か徒競走に切り替わっていた全力疾走は、結局一位がアスナ、二位がキリト、三位がレン、四位がユメという結果に終わった。
表情こそ変わらずのポーカーフェイスだが、付き合いがそこそこに長い三人には、彼が悔しがっているのが理解できた。
「いやー…それにしても、アレは苦戦しそうですねぇ…」
ユメの呟きに、三人の表情が曇った。
「…武装は斬馬刀一本だったが、特殊攻撃はあるだろう」
「前衛に堅い人を集めてどんどんスイッチして行くしかないね」
「盾装備の奴が十人は欲しいな……まあ、当面は少しずつちょっかい出して傾向と対策って奴を練るしかなさそうだ」
「盾装備、ねえ」
と、そこでアスナが意味ありげな視線をキリトへ向けた。
「な、なんだよ」
「君、なんか隠してるでしょ」
「いきなり何を……」
「だっておかしいもの。普通、片手剣の最大のメリットって盾持てることじゃない。でもキリト君が盾持ってるところ見たことない。わたしの場合は細剣のスピードが落ちるからだし、レン君みたいにスタイル優先で持たないって人もいるけど、君の場合はどっちでもないよね。……あやしいなぁ」
言われて見ればそうだった。確かに、黒の剣士様が盾を使っている所は見たことがない。
更に、キリトの表情を見る限りアスナの指摘は図星というやつだろう。
「まあ、いいわ。スキルの詮索はマナー違反だもんね」
しかしアスナはこれ以上の追求をきっぱり諦めた。元々それほど知りたいという訳ではなかったのだろう。
時計を確認して目を丸くしたアスナに倣い、レンも視線を動かしてみる。
「三時か」
「うん。遅くなっちゃったけど、お昼にしましょうか」
「なにっ」
「私とアスナの手作りだよー」
「………」
「なにか言いたい事があるのですか、レン君?」
「…ユメの料理……不安だ」
「ひどっ!これでも料理スキルはコンプリートしてるんだよ!」
ユメに差し出された小ぶりなバスケットを受け取って、警戒しつつも蓋を開ける。
中に入っていたのは丸パンをスライスして焼いた肉や野菜を挟み込んだサンドイッチだった。
「見た目はなかなか良いが……」
「まだ疑ってるの!?」
† †
「普通にうまかった。謝ろう」
「分かればよろしい」
暫くして。見事に完食したレンはユメに頭を下げていた。謝罪を受けたユメはない胸を反らして誇らしげだ。
「そんで、いたんだなクライン」
「気付いてなかったのかよ!?」
「サンドイッチに夢中で。それと、あのラブラブ空間から逃避したくて周囲を見ていなかったん
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