第十一話:二刀流/是、射殺す百頭
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真っ赤だ。
「取り敢えず進むぞ。オレとユメが先行するから、お二人はどうぞ後ろで仲良く」
「お熱いことで〜」
「レ、レン…!!」
「ユメちゃんも…!」
† †
「フッ!」
森を抜け、迷宮区に突入してから数時間。場所は七十四層迷宮区の最上部近く、左右に円柱の立ち並んだ長い回廊の中間地点。
身長二メートルを超える巨体は全てが骨により構成され、不気味な青い燐光を纏っている。右手には長剣、左手に金属盾を装備したその敵の名は《デモニッシュ・サーバント》。見た感じ筋肉など欠片一片もない癖に恐ろしい筋力パラメーターを持つ難敵だが、しかしこの四人にとっては造作もない存在だ。
「スイッチ!」
キリトの斬撃がデモニッシュ・サーバントに直撃、ノックバックした刹那を狙って、入れ替わりで飛び出したレンの一閃が、骨騎士の頭蓋を刈り取った。
「いやぁ……私達もういらないんじゃない?」
「そんな事言ってないで、構えた方がいいよユメちゃん」
男二人の猛攻に、先程からデモニッシュ・サーバントは手出しができない。当たり前だ。二人はこの世界で随一のトッププレイヤー。止めたければ、ボスクラスのモンスターを呼ぶしか方法はない。
「シッ!」
キリトの背後から飛来したクリミナルエスパーダの漆黒の剣身がデモニッシュ・サーバントの胸骨を貫いた所で、その巨大が青いポリゴンになって霧散する。
「さて、先を急ごう」
エスピアツィオーネを鞘に収めつつ、周囲を見渡す。
薄青い光に照らし出された回廊。ちまちまとマッピングしてきたデータの残る空白域もあと僅か。
あと少し進めば、この先には恐らくーー
「……これって、やっぱり…」
「多分そうだろうな……ボスの部屋だ」
回廊の突き当たり。これまでの回廊が開けた空間には、灰青色の巨大な二枚扉が行く先を阻んでいた。
「…覗いてみる?」
「ボスは守護する部屋からは出ることはない。ドアを開けるだけなら大丈夫だろう。ましてや、この面子だ。なにかイレギュラーが起こらなければいざ戦闘になっても逃げ切ることはできるだろう」
そう自信を持って答えるレンに、三人も頷きを返す。
「一応転移アイテムを用意しといてくれ」
「うん」
「はーい」
四人とも、片手に青いクリスタルを握る。これさえあれば、一先ず死ぬ前に離脱することができる。なにもこのメンバーのみでボスを倒そうという訳ではないのだ。深入りする必要は微塵もない。
「いいな…開けるぞ…」
キリトを先頭に、固く閉ざされていた鉄扉は滑らかに開いていく。
「…油断するなよ」
「分かってるよ」
薄ら寒さを感じる不
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