第十一話:二刀流/是、射殺す百頭
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発動条件に縛りが無いためか威力はエクスカリバーに数段劣る。あの悪魔を一撃で撃破するのは不可能だろう。
同じ理由で、現在発動中の『ソード・ダンサー』でもあの悪魔の命を削り取るのは無理だ。
(どうする…? ソード・ダンサーももう持続時間がない。今からスキルコネクトでソードスキルを繋げても削り切れなければオレは確実に死ぬ……あれしかないか…?)
彼が保有する無限剣スキル。その熟練度は既にフルコンプリートしているが、今まで成功したことのないスキルがただ一つあった。
その名は『憑依投影』。
武器に刻まれた記憶を読み込み、その技能を己に憑依させ体現するソードスキル。
『武器の記憶』とは、恐らくこのソードアート・オンラインの世界で生きる中で無限剣スキルを持たない人間にはなんの意味もない上、存在すら知らない隠しステータスだ。
それはドロップした武器にのみ存在し、通常のソードスキルを上回る威力の剣技を有している。
(分の悪い賭けだが、やってみるしかないか)
しかして、このソードスキルの難度は熾烈を極める。
何故か。それは使用者がレンだからこそだろう。
理由は簡単。『憑依投影』を行おうとすれば、その剣が抱える膨大な記憶ーーつまり『膨大な情報』が脳に詰め込まれる事になる。
この世界に入ってきて、脳とナーヴギア本体の接続が不良なレンに、痛みを阻害する役割を持つペインアブゾーバは機能していない。
故に、常人であれば一気に多くの情報を脳に詰め込まれて疲労するだけなのだが、彼の場合はそれだけでは済まず、脳が感じる圧迫感が、そのまま痛覚となって彼の脳を焼き切ろうとするのだ。
常に死の危険が伴うスキル。それが『憑依投影』であった。
だがしかし、現状を鑑みて、それしか手がない事は明らか。
彼が決断を下すのは早かった。
「投影????開始…!」
やらなければ死ぬ。やっても死ぬかもしれない。ならば、少しでも生きる可能性がある方に賭ける。
「ぐっ…あッ…!?」
読み込むは、左手に握った巨大な斧剣の記憶。先日の死神からドロップした、比類なき強さの剣技を内包した逸品だ。
彼の左手から幾筋もの青いラインが走り、剣の記憶が頭に流れ込む。その途方もなく膨大な情報量に、早くも彼の脳が焼け付く痛みを訴えた。
「ぐ…う、おおお…!」
しかして、この程度に屈するならば既にこの身は無いはず。常人ならば狂い死ぬ痛みを、気力のみで彼は捩伏せる。
斧剣の記憶を読み込みながら、未だ剣軍と格闘している悪魔に向け走り出す。
† ☆ †
彼の頭に流れ込む記憶は、佳境を迎えつつあった。
古代の大英雄。死後に神の座に迎え
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