第14話
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せて良いな?」
「かしこまりました」
頭を下げる桂花、気が付くと反射的に彼女の頭に手を置いていた。
「あっ……」
(しまった!)
いつもなら、手を伸ばしても思い止まっていた袁紹だが、手を置いてしまっては後には引けない。
そのまま労わるように優しく撫でた。
「いつも苦労をかけるな桂花、他にも任せている仕事があるのに……」
「あ、あぅ……勿体無きお言葉」
袁家内でも群を抜いて優秀な文官である桂花には、袁紹の政務補佐、政策の補填、音々音の教育等、仕事を任せてしまっている。
見かけによらず疲れ知らずな彼女は、袁紹同様休みが存在しなかった。
しかし度々政務を抜け出す袁紹とは違い真面目なため、文字通り休むことなく働き続けている。
「幸い性急な課題ではない。三日ほど休息を取るが良い」
「し、しかし」
「これは命令だ、桂花」
「……わかりました」
その言葉に少し不満そうに顔を伏せる。袁紹は苦笑しながら彼女を抱き上げた。
「きゃ!?れ、麗覇様?」
「軽いな桂花……ちゃんと食べているのか?」
「か、軽いは余計です!」
小さな体を気にしている桂花は、それに関する言葉には敏感に反応する。
とは言え、以前なら憎まれ口しか出ることは無かったし、少し前なら不満そうに顔を伏せるだけだった。
それが今では軽口を諌めるほどになっている。二人の距離は確実に近づいてきていた。
「目にクマが出来ているぞ、このままお主の寝所まで連れて行くとしよう」
「そんな!こんな日が高いうちから……わ、私の心の準備が」
「昼からなにを考えているのだお主は」
二人の距離が近づくにつれ、何故か桂花の妄想癖が出始めていたが……
………
……
…
―――三年後、南皮―――
「おおっ!すごい賑わいですな」
「星、少しは落ち着いたらどうなんです?」
第四回武芸大会開催日、見た目麗しい女性三人が来ていた。
「稟ちゃん、稟ちゃん、多分星ちゃんは……」
「メンマの可能性を広げた調味料、魚醤発祥の地だぞ!興奮しないわけがあるまい!!」
「……武芸大会よりもメンマですか」
「それはそれ、これはこれよ」
周りの視線を集めながら彼女達は大会会場の演習所に向かって歩いていった。
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