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ルドガーinD×D (改)
五十七話:揺ぎ無き信念
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を止めて背後に迫っていたアーサーの剣を避ける。

「あなたは必ずここで止めてみせます。そうでなければ誰も報われない!」
「貴様が知ったような口を利くな! 当たり前に幸せを約束されている貴様達には何もわかりはしない!」
「やはり私の声では届きませんか…っ!」

 怒鳴り合うように言葉をぶつけ合いながらも両者は剣を交わさせる。圧倒的に手数の多い双剣のヴィクトルに対してもアーサーは少したりとも遅れを取らずに自身の剣でさばいていく。片方が心臓を貫こうとすれば受け流され、その隙にもう一方が相手の頸動脈を引き裂こうとすれば素早く戻された剣で弾き飛ばされて反撃に移るという。

 どちらも一撃必殺に近い、一瞬でも気を抜けばその瞬間に勝負がつくという高度な斬り合いが幾度となく繰り返され、金属音と共に眩い火花が散っていく。その光景は見ているものに一種の幻想さを感じさせる。だが、この戦場にそれに見惚れる暇など無い。斬り合う両者の近くに白銀の閃光が煌めいたと思った次の瞬間に、ヴィクトルが大きく吹き飛ばされてしまったのだ。驚くヴィクトルをよそに吹き飛ばした張本人であるヴァーリは彼が立っていた場所に拳を振り抜いた状態で立っていた。

「極限まで空気抵抗を半減して速度を限界まで速めた突進は流石に避けられなかったみたいね。……でも、剣で防いで私の手に体を触れさせなかったのは予想外だったわ」
「君に触れられると力を半減されてまともに戦えなくなるのは分かっていたのでね。だとしても、厄介な能力には変わりがないがね」
「あら、手のかかる女性は嫌いかしら?」
「嫌いではないが好きとも言えないな」
「残念だわ。それじゃあ、お話はここまでにして―――踊りましょうか」

 それまでの明るい声からは打って変わってヒンヤリとした物を感じさせる声になり再び消える様に動き始める。常人では黙視することすらかなわない速度で動くヴァーリに対してヴィクトルは下手に動こうとはせずにジッと感覚を研ぎ澄ませてカウンターを狙う。そして、ついに来た背後から自身の頭部を狙った死神の鎌の様な蹴りを紙一重で躱して持ち替えておいた銃を振り向きもせずに放つ。

 鉛玉が白銀の鎧に当りへこみを付けるがその程度の傷ではヴァーリが止まることは無い。すぐに鎧は自動修復されて元通りになり、続けざまに文字通り地面を抉り取る下蹴りを繰り出してヴィクトルの足を狙うが軽く飛び上がりながら躱され、逆に真上から腕を骸殻化された状態でハンマーが振り下ろされてしまう。ヴァーリはそれを避けるために宙に飛ぶ。

 ハンマーが振り下ろされた地面は粉砕され、巨大なクレーターが作り上げられる。彼女は凄まじい威力に冷や汗をかくどころか嬉しそうな笑い声を上げて地上に残る彼へと容赦なく巨大な魔力弾を連続で撃ち込んでいく。

「うふふふ、い
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