world war4−『神々の怒り』−
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
闇は、滅された。
天の光は地を照らし、暗闇を喰い潰す。
天照大神の持つ浄化の炎は闇を祓い、人界を覆った。
その光はダークテリトリーの晴れぬ紅き空すら照らし、その焦土を恵みの大地へと作り変えた。
穢れは消える。
清き力は満ちる。
人々の恐怖は、もはや消え去ったも同然だった。
−−そして
−−その中枢である、シン__神名『ネクスト・ジウス・オリジンナイト』は、降り立った。
強い。
自らの事ながら、ひしひしとその強大な力を感じられる。
荒ぶる神の力を束ね、自らの力として使うこの異能。
たった一つ存在するだけで、この世の総べてを統治する事が出来る程の、強力な力。
シンは口を固く閉ざしながら、その拳を握り締めた。
「終わったかい?」
「……お前が、この力を?」
背後から聞こえた声。シンは己が異能でその正体を感じ取り、そして問うた。
「否、その異能はキミ自身のモノ。僕はキッカケを与えたに過ぎない」
「俺が、俺の様なただの人間が、こんな化け物じみた力を持ってる訳ないだろ」
「再び否だ。かの聖女、ジャンヌ・ダルクだって資質は持っていた。某二大宗教の開祖だって素質があったからこそ、その声を聞いたんだ。キミは、少しばかりその素質が強大な個体ってだけさ」
その青年は、シンの心臓部を指差して言う。
正確には、心臓の奥底の魂。その中に眠る『神性』を指差して、言う。
「お前は、誰なんだ?」
「言ったと思っていたんだけど……必死で聞こえてなかったかな?僕の名は《主》。ただの神さ」
「ただのって……神の時点でただのじゃないだろ」
「いいや?神なんて実はそこら中に居るものさ。八百万の神々なんて言われる通り、神は数え切れないほど居る。知名度が無いだけだよ」
クスクスと笑い、例えば−−なんて言いながら、人界の中心にそびえる巨大な塔を指差す。
「あの塔。あの素材である大理石一つ一つに、それぞれに付喪神が宿っている。神って言っても、全員が力を持ってる訳じゃない。その資質と、信仰の度合いから力は成るんだ」
「……良く分かんねぇな」
「キミはこちらに踏み込んだばかりだしね、無理もない。すぐに分かるさ−−って、こんな事してる場合じゃなかった」
《主》は思い出した様に指をならすと、右掌をこちらに向けた。
力の本流がその前で渦巻き、時空の歪みを引き起こす。
「……ッ!」
「身構えなくても良い、キミには手伝いをして貰うだけだ。安心し給え」
ブラックホールの如き力の本流は、時間を飲み込み、空間を飲み込み、そしてシンを飲み込もうとする。
「うわっ!」
「詳細は現場で説明
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ