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101番目の舶ィ語
第二十二話。選択の時
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「っ?? 貴女……」

目の前にいる『妖精』の音央が驚いて息を飲んだ。
それと同時に俺の背後に、ピッタリと寄り添う暖かい彼女の感触が伝わってきた。
そう。これが、俺が感じていた熱の正体で……。
この子は……夢の中だろうが何処でも現れるんだ。
彼女は俺を『殺す』まで何処にいようと必ず背後に『存在』している。
それは、そう、間違いなく。

「一之江!」

「わ、私の夢を見るなんて……いやらしいっ!」

「ごめんよ、夢の中の君も綺麗だよ」

「うわっ、夢の中でも口説くとか……貴女は本当に真性のバカなのですね」

「可愛い女の子を口説くのは紳士の嗜みだよ?」

「ふむ……なるほど。私は超絶美少女ですからね。モンジが口説きたくなるのはある意味当然かもですね」

「……美少女なのは確かだけど、その自信は何処からくるんだい?」

「私、メリーさん。とっても可愛い美少女なの」

「可愛い美少女の姿をした人形に追われるのならある意味幸せかもしれないな……うん」

「人形萌えですか……変態ですね」

「いや、違うよ。一之江みたいな可愛い女の子には萌えるかもしれないけどね」

「うわっ、キモ……いやらしいっ!」

「ええっ??」

「まあ、キモンジらしいですね」

待て! なんだキモンジって。

「キモいモンジ。略してキモンジです」

「言い直せてないし、余計酷くなってる??」

「失礼。噛みまちた」

「違う。わざとだ!」

「噛みまちた」

「わざとじゃない??」

「そんな小ネタはどうでもいいのですよ」

「うん。そうだろうな」

一之江はどうも登場シーンでは小ネタを挟まないと気がすまないようだ。
シリアスな空気が苦手なのかもしれないな。シリアスな都市伝説なのに……。
だが、そのおかげで俺は冷静になれた。

「え、い、一之江さん……なんですか?」

「はい。ナイスバディに変身した一之江です。これでトリプルボインですね」

「え、え?」

一之江の言葉に動揺している『神隠し(チェンジリング)』の音央。
妖精の音央の方が無言になっているのは、一度一之江の登場シーンを見た事があるからだろうか。
まあ、狼狽えるのは仕方ない。
一之江はロア状態になっていても、ボインには程遠い洗濯い……慎ましい体つきをしているからな。
それにこれまで。『妖精』のテリトリーである『何者も踏み入れらないように固く閉ざした絶対の空間』である『妖精庭園(フェアリーガーデン)』に『別の存在』が入る事などなかったのだから。
だが、一之江は。
『月隠のメリーズドール』はいかなる空間にもやってくる。
俺を『殺す』まで、絶対に逃がしてはくれないのだから。

「しか
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