第二十二話。選択の時
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?」
そう呟いた直後。
グサッ??
「痛っ??」
何故か一之江に切り突き刺されたのだった。
「何故刺すんだ?」
「ニヤけ顔にイラっときました。
ですが、安心してください。
イラっとしたから刺したいと思うのは……貴方だけですから」
「その言葉の何処に安心する要素があるんだ??」
「特別扱いです。嬉しいでしょ?」
「ああ……嬉しすぎて涙が出てきたよ」
これは背中の痛みから出た涙ではない。
音央達が俺の物語になったのが嬉しくて出た涙だ!
そういう事にしてほしい……。
「……あ、あははっ! 見て、アレ」
「……え? ふふっ。疾風さんったら……」
そんな俺の姿がおかしいのか、俺の方を見た音央は笑い合った。
背中に刃物のような何かが刺さっていても……2人が笑い合っているのならいいや。
そんな風に思ってしまった。
笑いが収まってから、音央は俺に尋ねてきた。
「ねえ、モンジ……ちょっと聞いてみたい事があるんだけど」
「あっ、あの……疾風さん。私もあります」
「うん? 何かな?」
俺が尋ねると2人は息を揃えて同時に質問をしてきた。
『あんた(貴方)は結局、何者なのよ(ですか)?』と。
何者なのか、か。
もう、自分でもよくわかんないや。
ただ、その質問にはお決まりの言葉がある。
だから、その質問にはこう返すよ。
「______ただの高校生だよ。わりと偏差値高めな、都市伝説が集まる学校のね」
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