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101番目の舶ィ語
第二十二話。選択の時
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美味しかったしね。俺は、俺に優しくしてくれる女の子はみんな大好きだ」

「私は……貴方も……消すつもりだったのに……っ」

「……脳天に風穴でも開けましょうか?」

そんな音央の言葉と一之江の呟きが聞こえて。
それと同時に背後から感じたのは身を凍らせるような寒気と背中に感じる冷たい金属のようなものの感触。
風穴を開ける、か。
ああ、懐かしいな……その台詞は。
そして後ろの方からひく、ひくっという泣き声。
……とんだ泣き虫だな、本物の音央は。
俺はやっぱり女の子の涙には弱いな。
なんとかしたくなってきた。

「優しさっていうのは、された方が感じるものであって、した方は気にしなくていいんだ。
キリカなんかを見てごらん。凄い優しくしてくれるけど、当人の中では全部計算だよ?」

「…………」

「一之江を見てごらん。なんだかんだ言って優しいけど、それは全部自分が消えないようにする為であって、自分のロアの力を強くする為でもあるんだからね?」

「まあ、そうですが。それに気づいていながら、貴方はキリカさんや私の優しさを信じていたりするのですね」

「そりゃ、どっちも俺にとって大事な物語……大事な子だからね」

「このハーレム野郎」

一之江は憮然とした物言いでそう言ったが、不満はいくらか軽くなっているようだ。

「一之江、お願いだ!」

「仕方ありませんね」

蔦は俺の全身を頑ななまでに包み込んでいる。
だから俺は自分の力だけではろくに動けない。
だが、一之江が俺の背にいる時は……。

______俺を阻む事なんて出来ないんだ。

「音央、聞こえているんだろう?」

俺の声にぴくっ、と反応した音央。
その姿は茨に囚われたままだ。
俺が音央に話しかけた直後。
俺は音央の、すぐ側に現れていた。

想起跳躍(リンガーベル)です」

言葉が聞こえた人物の場所に一瞬で跳躍する一之江の能力。
その能力を使った俺の目と鼻の先には音央がいた。
俺は自分の体が傷つくのも構わずに茨の中に手を突っ込んだ。
そして音央の手を握った。

「……あんたは……本当に、バカよね」

「君もかなりのバカだけどね?」

ニヤリと笑いかけてそう言うと、音央はようやく______微笑んでくれた。
その顔には力はなかったが、ずっと悩んで閉じ篭っていた音央を笑顔に出来た。
その事実が何より嬉しい。

「……言いたい事、あるのだろう? 俺じゃなくて、あの子に」

俺は自分の背後にいるであろう本物の音央の方を指差した。
そう。今まで音央は知らない側だった。
だけどこれから先の『未来』を歩むにはそれじゃ駄目だ。
何も知らなかった音央も、知らせなかった本当の音央もお互いに向き合う必
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