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101番目の舶ィ語
第二十一話。妖精の神隠し
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妖精』の方の音央が叫んだのとほぼ同時に、大量の茨の蔦が襲いかかってきた。
万力のように締め付けてくる強力な蔦。
その刺は既に鋭利な刃物のように硬く鋭くなっている。
その蔦が俺の全身を包み、巻き取ろうとしてきた。
だけど……。
俺は『全身』を巻き取られる事はない、と知っている。
さっきから……いや、ずっと。
背中に感じる温かさがあるからだ。

「あ、あの……疾風さん?」

背後にいる『神隠し』の少女は気づいたようで。
おずおずとした態度をしながら尋ねてきた。

「どうして疾風さんの背中は……茨に包まれないのですか?」

彼女がその疑問を口にした瞬間だった。





ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピ!





突然、着信音が鳴り響き。
『神隠し』と『妖精』。
二人の音央が驚いている間に、それは勝手に鳴り止み……。

『もしもし、私よ』


ズボンのポケットに入れていたDフォンからそんな電子音っぽい声が聞こえた。


『今、貴方の後ろにいるの』
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