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歌集「春雪花」
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 月影の

  落ちてやわれの

   陰を濃く

 夜の闇へと

    写すものなれ



 月明かりが照らす夜中…。
 ふと見れば、月明かりはこの闇に私の陰を…ただ色濃くするだけだった。

 ただただ…淋しくなるばかり…。



 夏空の

  蒼もわれを

    染め倦ね

 空しき日々に

     光なかりき



 夏の爽やかな青空を眺めても…全く心は晴れない…。
 周囲は夏へと向けて動き、楽しんでいるようだが…とても私には楽しめようもない…。

 太陽が昇り照らしても…私には届かない。

 彼のいない日々…心には光が届かないから…。




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