第一章 目覚めるその力
第一話 空にて、到着直前。
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ンターであるとされる。このモノブロスの角から造られた槍を持っているということ、即ちそれは、リューガはそのモノブロスを狩っているという事である。
ジーノが装備しているのは「金色・真」と呼ばれるラージャンの素材から造られた装備で、このモデル自体は旧式なのだが、彼はこちらの方がしっくり来るという理由でこのデザインの方を選んだそうだ。武器は超巨大生物のシェンガオレンというモンスターから造った大剣「ガオレンズトゥーカ」だ。ジーノはその小さな体躯でこの大剣を自在に操る、馬鹿力の持ち主である。
このラージャンは超攻撃的生物と呼ばれる猿や獅子を想わせる様な姿形の危険なモンスターで、出遭ったモノの命はまず無いとさえ言われる。また、ラージャンの興奮すると毛がたちまち金色に変わり、逆立つ。この事からラージャンは“金獅子”という異名を持つ。この現象は興奮が収まると同時に終わり、毛色は元に戻るのだが、極稀に何が起こってもその毛色が元に戻らないという異常な現象が発生する。こうなってしまえばラージャンは全く手が付けられなくなり、暴虐の限りを尽くすようになる。ジーノはその激昂したラージャンを狩り、その毛皮から造られた鎧を身に纏っているのだ。二人揃って名は高い。
自らの実績を誇示するようにそれらの装備を身に付け、その後は二人も飛行船内の迎撃兵器の準備をする。
危険なモンスターが至るところにいるこの世界で、丸腰で旅をするなど言語道断の所業だ。特に船や飛行船といった、乗り物が破壊される事がそのまま死に繋がるような移動手段では、より強力な迎撃兵器の準備が必要となる。
例えば、この飛行船にはバリスタという、大型弩砲が側面に二台ずつ、合計四台設置されている。二人は人々にそのバリスタ用の弾を用意させたのだ。
「おぅいジーノさん達! バリスタの準備は万端だぜ! 全砲台に配置は着いてる!」
乗組員の男が溌剌とした声で言う。その顔に不安の色は無い。それが彼らハンターへの信頼を表していた。
「恩に着ます」
「おう、サンキュー! ……あと、避難の準備も用意しとけよ」
「分かってるさ。ま、アンタらが負けるとは思ってないぜ。あの王サマ気取りの鼻をへし折ってくれ!」
リューガの感謝の後のやや不安げな要請に対して放たれたその快活な言葉は少々プレッシャーを与えると同時に確かに二人をを勇気づけた。
「言われなくてもそのつもりですよ。僕もアイツの威張りっぷりには腹が立つんでね」
今度はジーノが不敵な微笑みを帯びた顔でそう言った。未だに感じられる余裕は、彼が踏んだ場数故か。
それを聞いた男は信頼に更に安心を加えた顔で「頼んだぜ」とだけ言って、次の準備に入るために去っていった。
彼を見送った後、リューガとジーノは窓の外を再び見る。黒い目は緊張を帯びながらも確かな熱意を持
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