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『DIGITAL MONSTER X-EVOLUTION:Another-X』
序幕:【血戦の最中で】
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《・》()』のみ。
無論の事、その“門”を開放したのは他ならない、“紅蓮の騎士(か れ)”自身だった。


――――身体の各所が、活動限界を示す悲鳴(アラート)を上げている。


だが、此処で止まるわけには、いかなかった。
此処で膝を屈しては、“魔獣”どもが“門”へと向かう。
“魔獣”どもを蹴散らす最中、“紅蓮の騎士(か れ)”は直感で、それを感じ取っていた。

…………此方からでも“門”の開放は出来る。
が、閉門するには“向こう側”からしか操作出来ない。
無論、“紅蓮の騎士(か れ)”が“向こう側”へ赴き、“門”を閉じてさえしまえば、それで終わる問題だ。
“魔獣”どもに“門”を喰い破るようなチカラはない。
【世界】を埋め尽くす“魔獣”どもも、【世界】を隔てる【次元】にまでは干渉出来ない。


そう。()()()()()()()()――――


だが、“紅蓮の騎士(か れ)”は退かなかった。
否、出来なかったと云うのが正しい。何故か。
…………理由は単純だ。
まだこの【世界】には、生き残っている者が居るからだ。
“魔獣”どもの襲撃で、かなり数を減らしたが――――まだ僅かに、生きている者たちが――――確かに、居る。
生きるために、必死に、生き抜こうとしている。
既に大地は足場としての機能を失いつつある。
レイヤーが剥がれたかつての地平は、虚無の奈落そのものだ。
飛ぶ術を持たぬ者たちにとってのこの状況は、即“死”に直結する。


「…………」


為らば、守らなくてはならない。守らなくてはいけない。
生きている者たちを。生き抜こうとする者たちを。
騎士として。守護者として。同じ“命”として。
もうこれ以上、“命”を、失わせない為に。
もうこれ以上、“命”を、奪わせない為に。
ここで、この場で、1匹でも多く“魔獣”どもの侵攻をを食い止めなくてはならない。


「………………」


そして――――あの“門”の先へ向かった、“1匹の竜”の願いを守る為に。
何てことは無い、ほんの些細な、他愛のない、ささやかな約束を――――守る、為に。
…………“魔獣”どもは、この場で釘付けにしなければならない。


「………………、」


使命感ではない。義務だからでもない。
ただ、言葉に出来ない――――“電脳核(たましい)”の根源より沸き上がる“熱量(ほのお)”が、
死に体ですらある“紅蓮の騎士(か れ)”を、突き動かす――――!


「………………、アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァッ!!!」


裂帛の咆哮が大気を震わせ、“死の啼声”を掻き消す。
同時に“紅蓮の騎士”
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