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『DIGITAL MONSTER X-EVOLUTION:Another-X』
序幕:【血戦の最中で】
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れば死は必定。逃げようにも逃げ場そのものがない。
こんなものに立ち向かう者がいるとすれば――――それは余程の“死にたがり”か “狂人”だ。


――――だが、“それ”は、そのどちらでもなかった。


落雷とも/噴火とも/暴風ともしれない衝撃が、【世界】を貫いた。
裂け/潰れ/砕け/千切れ/穿たれ/爆ぜる――――響く断末魔は、しかしは全て“魔獣”どものモノだった。


――――続けて、第2の衝撃が【世界】を貫く。


閃光/流星が、弾ける。
赤黒い“魔獣”どもの残骸から現れたのは“紅蓮の騎士”だった。
紅い竜を模した兜。緻密な装飾が施された白銀の鎧に、焔よりも鮮やかな真紅のマント。
その手には――――右腕と一体になった、閃光の刃を放つ“聖槍”が一振り。
鋭く光る、碧い眼光の威圧は――――意思を持たない筈の“魔獣”ですら、一瞬たじろぐ程だ。

獅子吼、一閃。
“紅い騎士”が右腕を振り抜くと同時に閃光が奔り、群がる“魔獣”が、数10匹単位で駆逐されていく。
単純な戦闘力では、“紅蓮の騎士”に軍配が上がった。
が、戦いというものには、突出した“個”が居れば勝てる、という道理はない。
寧ろ、最も重視しなければならないのは“数”である。
“紅蓮の騎士”の現状が、明確にそれを示していた。

…………“紅蓮の騎士”は満身創痍だった。
肩で息をし、致命傷こそ避けているものの、その兜や鎧も随所が欠け、罅割れ、へこみ、歪んでしまっており、
鮮やかな真紅のマントも、至る箇所が裂けて無残な有様だ。
“紅蓮の騎士”自身への負傷も深刻で、特に左腕の損傷が痛々しい。
本来ならその手に握られている筈の“聖盾”が、何処かへいってしまっていた。
恐らくは、先に駆逐した“魔獣”どもの残骸に埋もれてしまったのだろう。
防御力の低下は免れないが、かといって回収するワケにもいかない。
全天に亘って群がる“魔獣”を相手に、そのような隙を晒しては、一気に押し込まれてしまうだろう。

…………“紅蓮の騎士”は、満身創痍だった。
しかしそれは、すべて紙一重で“魔獣”どもを凌ぎ、捌いていたからだ。
ただの殲滅戦程度ならば、こうも負傷することなど、在り得ない。
ならば、何故――――?


――――理由は遙か遠く、頭上に在る。


その光景は、常識では在り得なかった。
“紅蓮の騎士”と“魔獣”どもとが切り結ぶ地点より、およそ上空2000mの位置。
そこに、虹色に輝く“孔”が、宙空に穿たれていた。

正確に言うなら、アレは“門”だ。
空の向こう、【世界】の上層――――【総合統括機構(セントラル)】の中枢区。
そこに至る為の、唯一の繋がり。
その開錠を赦されているのは、“紅蓮の騎士”を含めた『()()|騎
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