第十九話 鮫島大尉!猿飛佐助は名作だ!その十七
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「この五遁の術然りだ」
「ゲームとかの影響受けてるのかよ」
「忍者ものの」
「違うな、ゲームや漫画の忍術がそうした忍術の影響を受けていたのだ」
むしろそうだというのだ。
「昭和三十年代にあった忍術、それがだ」
「日帝衆の忍術っていうんだな」
「そうしたことか」
「私は水ぐもの術で水の上を歩くこともムササビの術で空を飛ぶことも出来る」
某忍者ハットリくんの様にだ。
「姿を消すことも分身もな」
「まさに昭和三十年代だな」
「これで蝦蟇とか使ったり変身したら完璧だな」
「ああ、天竺徳兵衛とか児雷也みたいにな」
「そこまで出来たらな」
「当然出来る」
ここでこうした返事が来るのがこの作品だ、そして実際に鮫島も二人に対して普通にこう答えたのである。
「私もまた蝦蟇を操れる」
「ああ、そうかよ」
「もうお約束だな」
「それでその蝦蟇の術でもか」
「俺達と戦うんだな」
「そうだ、見るのだ」
こう言ってだ、実際に。
鮫島は何処からか巻物を出してそれを口に咥えて両手で印を結んでだ。そこから何か呪文を唱えてだった。
蝦蟇を出してみせた、二人はその巨大な四メートルはある蝦蟇を見てまた言った。
「おお、本当に児雷也だな」
「ある意味感動したぜ」
「じゃあ俺達も蛇出すか?」
「そうしようか」
「蛇も出す」
だが鮫島はこう言って今度は大蛇も出した、ついでに巨大なナメクジもだ。
そうしてだ、その三体を揃えたうえで二人に言うのだった。
「これこそ秘術三すくみだ」
「それでお互いの弱点を補ってかよ」
「俺達を倒すってのかよ」
「蝦蟇、蛇、蛞蝓で」
「そうするんだな」
「そうだ、尚最初にナメクジと書いたのは読者の方にわかって頂く為だ」
『蛞蝓』と書いて『ナメクジ』と読む。虫にあてられている漢字は存外難しい。作者も読めなかったりする。
「そしてこの三匹がだ」
「俺達を倒してか」
「懲らしめてっていうんだな」
「正しき忍術を知れば正しき心が宿る」
ここでもこう言うのが日帝衆だ、あくまで清く正しいのだ。
「君達は私が鍛え直す」
「へっ、大きなお世話だよ」
「そんなのは遠慮してやるぜ」
「俺達は金稼いで好き勝手に生きるんだよ」
「アイドルへの芸術鑑賞とアダルトビデオ鑑賞に全てを捧げるんだよ」
「今は職業ものに凝ってるからな」
「OLさんとかナースさんとかな」
そちらにも目覚めた二人だ。
「何が悲しくて聖人になるんだよ」
「そんなの大きなお世話なんだよ」
「俺達は煩悩に生きるんだよ」
「そっちの芸術鑑賞にな」
「つくづく見下げ果てた者達だ」
鮫島も二人の話を聞いて呆れるしかなかった。
「全く以て」
「へっ、そんな連中向けられてもな」
「俺達は負けないぜ!」
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