第十九話 鮫島大尉!猿飛佐助は名作だ!その十四
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「うはうはがデフォだろ」
「それでこの待遇ってな」
「本当に何だよ」
「主役粗末にするな」
「怒るぞ、しまいには」
「やりたい放題やってやるぞ」
「あんた達もうやりたい放題やってるわ」
お婆さんがまた突っ込みを入れた。
「卑怯なことばっかりしくさって」
「うるせえ婆、どっかで茶飲んで寝てろ」
「それで時代劇でも観てろ」
二人も負けじと返す。
「それで余生過ごしてろ」
「孫やひ孫に囲まれてな」
「爺さんと仲良くしてろ」
「それで火葬場に行く日を待ってろ」
こんなことを言いつつだ、二人は。
その伊賀上野城まで来た、そして。
そこで鮫島、格好いい二枚目の彼に対してもだ、こう言うのだった。
「とっとと終わらせてな!」
「葉加瀬マイさんの写真集とDVD鑑賞してやる!」
「俺達のボーナスの元になれ!」
「さっさと負けろ!」
「それが戦う相手に対して言う言葉か」
鮫島は自分を指差して言う二人に真面目な顔で返した。
「その相手への礼節の気持ちはないのか」
「あるかよ、そんなの!」
「何処にもねえよ!」
これが二人の返答だった。
「勝てばいいだろ!」
「何をしてもな!」
「相手への敬意で飯が食えるか!」
「いい思いが出来るってのか!」
下衆そのものの言葉である。
「そんなの俺達には関係ねえ!」
「気にしてられるか!」
「わかったらさっさと負けろ!」
「不戦勝でもいいぞ!」
「聞きしに勝さる屑達だな」
鮫島はその二人の話を聞いて呆れた顔で言った。
「まことにな」
「それがどうしたってんだよ」
「勝てば官軍が俺達だよ」
「わかったら負けろ」
「さっさとな」
まだこう言う二人だった、そして。
両者の間にだ、見事な和服を着た長い白髪に見事な髭を生やした端正な顔の老人が来てこう言って来た。
「当代百地三太夫である」
「師匠、お久し振りです」
鮫島はその彼に礼儀正しく礼をした。
「お元気そうで何よりです」
「大尉、では今日は」
三太夫さんも彼に応える。
「審判役をさせて頂きます」
「お願いします」
「日帝衆として毅然とした戦いを期待します」
「畏まりました」
二人の挨拶はこうしたものだった、だが。
三太夫さんは二人には。この上ない侮蔑の目を向けてこう言ったのだった。
「下劣な者達よ、審判を務める百地だ」
「おい、爺さん何だよ」
「初対面の相手に下劣かよ」
二人も悪態で返す。
「それはないだろ」
「人を初対面だけで判断するなよ」
「それは人間として駄目だろ」
「アウトだろ」
「これまでの行いを見ての評価だ」
三太夫さんは悪態に正論で返した。
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