第十九話 鮫島大尉!猿飛佐助は名作だ!その十三
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「あの二人は本当の最低人間だから」
「うん、覗きしてやるって言ってるし」
「いい、あんな大人になったら駄目よ」
実にいい言葉である、少なくとも他人からこう言われたら終わりであろう。しかも純粋な子供達に向けて。
「そして結婚してもね」
「うん、あんな最低な人と結婚したらね」
「人生台無しだから」
「お父さんみたいな人と結婚しないと駄目よね」
「そうよ、お父さん今日はお仕事で来られなかったけれど」
「お仕事なら仕方ないよね」
「そう、まこちゃんの為に働いてくれてるからね」
娘には慈愛に満ちた顔で言うのだった。
「お父さんがいなくても悲しまないでね」
「うん、そうするね」
「とにかくね」
「あんな大人になったら駄目よね」
「あんな人達とも結婚したら駄目よ」
「おい、母娘で何言ってんだよ!」
「毎回毎回誰かにこんなこと言われてるな俺達!」
二人はその母娘に怒って抗議した。
「青少年の浪漫を達成して何が悪い!」
「姿消して覗きするだけだろ!」
「それの何処が悪いってんだ!」
「漢の浪漫なんだよ、浪漫!」
「やっぱりこの人達最低」
まこちゃん(モブです)は二人をこれ以上はないまでに軽蔑しきった六歳児の目で見つつまた言った。
「最低人間」
「そう、ああなったら駄目よ」
「うん、私絶対にあんな人にならない」
「そうよ、あの二人こそミスター最低人間だから」
「うるせえババア、クソガキ!」
「いい加減にしねえと手前等の家に不幸の手紙送るぞ!」
二人は伊賀でも中指を立てることになった。
「ったくよ、これは教育作品なんだよ!」
「ヒーローが人生の模範になる作品なんだよ!」
「それ忘れるな!」
「俺達がヒーロー、絶対正義なんだよ!」
「ヒーローのやることは正義!」
「そのことを忘れるな!」
「この二人人間の屑過ぎる」
まこちゃんはその目に最大級の侮蔑も込めていた。
「うちのお父さんと全然違う」
「だからなのよ」
「こんな大人になったら駄目」
「そうよ」
お母さんの咲子さん(モブです)はまこちゃんにまた言った。
「いいわね」
「よくわかったわ」
「じゃあ日帝衆の人の勝利をお願いしましょう」
「あの人達凄く立派な人達だからね」
「お父さんと同じ位ね」
「ちっ、ここまで敵が作品中で褒められてる作品ねえぞ」
「俺達圧倒的に不人気じゃねえか」
不平たらたらの口調だった。
「主役だってのにな」
「打ち切りだの路線変更だのの話は尽きねえし」
「扱い悪いな」
「主役大正義じゃねえのかよ」
「主役を大事にしない作品は駄目だろ」
「俺達をよ」
「いいから早く勝負の場に行けや」
ここでお婆さんが二人に言った。
「あんた達いつも前置きが長いわ」
「今度は婆さんに言わ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ