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竜門珠希は『普通』になれない
プロローグ:4人兄弟姉妹、☆空レストランへ行く
結局あなたが一番最低です。会話の内容的に
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 あのオタ妹との待ち合わせにメールで指定した場所でお兄ちゃんが車を停めると、すぐに結月は見つかった。いや、正確に言えば助手席に座るあたしから結月の姿は見えないけど、たぶん結月は見つけた。

「お兄ちゃん。出撃(ソーティ)

 あたしは視線の先、四人ほどのチャラい感じの服と雰囲気の男たちの群れが何かを取り囲むように円陣を組んでいるのを指差してお兄ちゃんに単独出撃命令を出す。
 これも姉としての本能なのかどうかは別にして、街に出ればほぼ毎回スカウトの名刺をもらってくるような可愛い妹が、こういう雑多な人ごみの中で目立たないわけがない。淡い栗色の髪の毛はさらさらストレートだし、目鼻立ちもすっきりしていて、肌も白いしキメ細かいし――とにかく美少女を三次元化したらこうなるんだなぁ、と言ったほうが一部の人間には理解が早い。
 そしてその丸い瞳を潤ませてじっと見つめた後、う○ちーの声真似して「おねがぁい?」と訴えかけてくるから(あたしを除いて)あたしの家族は誰も敵わない。ましてや昔からあの()は初対面の赤の他人からも可愛がられる先天性の愛され属性の持ち主だ。本当に、長女のプレッシャーに晒され続けてすっかりくたびれたあたしとは大違いだ。

 ……あ、そう考えるとなんかイラついてきた。
 あたしも実体験してるからこそ言えるし、理解してる。女同士の嫉妬は醜いね、うん。嫉み、妬み、僻み、憎み――若干の違いはあれど日本語の世界にはいろんな言い方があって困るよほんとに。

 けれど、だよ。どこぞの漫画にでもあるんじゃないかと思うくらいキレイに男、女、男、女と生まれてきた4人兄弟姉妹とはいえ、この姉妹格差はどうして生まれてしまったのか。もういっそ結月は突き抜けるところまで突き抜けて可愛がられまくられてしまえばいいよ、とまで思うくらいにね、うん。可愛がられまくられてしまえば、って表現も日本語的におかしい気がするよほんとに。

 まあ、どう可愛がられるかが一般向けと成人男性向けによって大きく異なるけど、この点に関しては今明記しないでおくのが正解だと思う。


「ぅえ?」
実妹好き(シスコン)として、最愛の妹が見ず知らずのナンパ野郎に好き勝手触られ、弄ばれ、舐め尽くされ、ぶっかけられ、嬲られるのを黙って指咥えて見てるのはどうかと思うよ?」

 俺が行くの? と面倒臭そうに尋ねられ、あたしは理由を率直に答える。
 すると、お兄ちゃんもお兄ちゃんで率直に返してきた。

「お前のそのエロ同人的な喩えはさておき、その構図はNTR(寝取られ)好きにはたまらんとおも……ぅぐふっ!?」

 気付いたらあたしの右手はお兄ちゃんの左脇腹にグーパンを放っていた。後悔はしていない。やったのはあたしじゃなくて、あたしの右手だし。
 もちろん後
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