プロローグ:4人兄弟姉妹、☆空レストランへ行く
結局あなたが一番最低です。会話の内容的に
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こまでまっすぐ育ってきてくれたもの」
凌太くんのお母さんの言葉に、あたしと颯くんのお母さんはほぼ同時に、ああ、と小さく漏らす。子どもを進学させた経験のないあたし――てか、あたしは子どもを産んだ経験も、産むために必要な経験すらないんだけど?――と颯くんのお母さんも、凌太くんのお母さんを見習って、家事を掌握する人間として腰を落ち着かせることにした。
確かにあんな家族(注:あたしを除いて)の中にいながら、聖斗はまともに育ってきてくれた。時折オタ特有の奇怪な言動をするお兄ちゃんと結月を軽蔑するでもなく、比較的あたしの言うことはすんなり聞いてくれる素直さを残して。
それ以降もあたしたちがすっかり話に夢中になっていると、不意に声がかかった。
「あれ? どうして姉ちゃんがいんの?」
「うおっ! 聖斗のお姉さんじゃないすか! どうしたんすかこんなところで?」
「お久しぶりです。聖斗のお姉さん」
奥様方との世間話(建前)を止めてあたしが視線を向けると、そこには野球部のユニフォーム姿の三人の男子がいた。
丁寧に挨拶してくれた一人は野球部員にしては色白で線も細い母親そっくりな颯くん。あたしがいることの何が驚きなのかわからないけど、驚いている一人は少し悪びれた感じの、怪我でもしたのか口元に絆創膏を張った凌太くん。そしてそんな二人の間にいるのがあたしの弟、聖斗だ。
「久しぶりだね二人とも。聖斗の迎えに来たんだけど、元気だった?」
最後に二人の顔見たのは去年の冬だっけ?
あの時期はあたしも高校受験の追い込みと仕事の締め切りが重なって修羅場ってたから、たまに二人が聖斗と遊んでいても挨拶できなかったんだよね。
「はいっ! この通り元気っす!」
「おかげさまで」
「あはは……。あたしは何もしてないよ?」
いや、本当にこの二人には別に何もしてないんだけどね。
お菓子と飲み物で軽いおもてなしをしたことはあるけれど、別に大したことじゃないし。
「で、姉ちゃんがどうしてここに?」
「うん、お兄ちゃんが休みで家に帰ってきてたから車出してもらった」
「それだけでわざわざ?」
「結月も出かけてたから、そのついで」
「……ふーん。そういうこと」
……あれ? なんか選択肢マズった? 微妙に聖斗の機嫌が悪くなったっぽい。
選択肢が出たら反射的にクイックセーブする癖はあるけど、現実世界にそんな機能はないのが残念でならない。最近の紙芝居ゲーに100以上のセーブはいらなくても、クイックセーブのなかった時代の――いつのだよ? という質問と指摘はナシの方向で――は選択肢ひとつミスっただけで主人公かヒロイン死んでたからね? ていうか100あれば凄いと思える時代だってあったんだからね?
「凌太。今日は
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