プロローグ:4人兄弟姉妹、☆空レストランへ行く
結局あなたが一番最低です。会話の内容的に
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の口から漏れたのが聞こえたけど、余計ないざこざは勘弁なので無視。勘違いさせないためにも言っておくけど、多分にシスコン入っているとはいえお兄ちゃんはちゃんと弟も妹も大切にしてくれている。それはたまにワガママを言う結月も理解している。
ちなみに現在地はあと数十メートルも歩けば腐った女子が闊歩する領域に近い東京都豊島区池袋。次の目的地は弟が所属する部の遠征で向かった埼玉県さいたま市浦和区だった。
☆ ☆ ☆
「ありがとうございましたっ!!!」
すっかり日も落ちた中、車内にお兄ちゃんが好きな音楽を大音量で流しながらあたしたちが聖斗の遠征先の学校まで到着すると、ちょうど解散の声が響いてきた。
周囲には息子たちを迎えに来た親御さんたちの姿とその車があって、学校が出したマイクロバスもグラウンドの近くに停まっているのが見える。加えて遠征先で小さな大会でもあったのか、まったく異なるロゴや刺繍が施されたユニフォームが5、6種類はあった。
「うわぁ。結構人いるねぇ……」
「この中から聖斗探すのかー。疲れるー」
選手とその家族、部の監督、コーチや審判などの関係者、もろもろ含めると100人はいるんじゃないかと思える眼前の光景に、運転席と助手席に座るあたしの兄と妹は基本的に人ごみが苦手というお約束を臭わせてきやがった。
あたしだって、人ごみ苦手なんですけどねー。
けれど、車内に引きこもってても仕方ないわけで。
「とりあえずあたしだけ降ろして。聖斗見つけてくる。挨拶ついでに」
そう言って、あたしは車を降りて人ごみの中に向かった。
こういう場合、てっとり早く見つけるにはまず聖斗と同じ学校の息子を持つ親を見つけることだ。とはいえ、父兄には当てはまっても保護者ではないあたしが1歳下の弟と同じ部活に入っている息子を持つ親を探すというクエストは相当に難しい。無為無策で末期状態のヤンデレ発症したカノジョとすんなり縁を切るより難しい。そこまで命懸けじゃないけど。
でも、あたしにはできる。
なぜなら、あたしはお兄ちゃんや結月とは違うからッ!
変に厨二病とか病んでないし!
あそこまでコミュ障じゃないし!
ちゃんと普通の友人いるし!
ちゃんと隠してるし!(何を? という質問は却下)
――とか思って人ごみの中を単独突破していると、前方に見たことのある後ろ姿が見えた。あの後ろ姿の二人は確か聖斗の同級生のお母さんたちだ。しかも、奥様二人ともあたしの顔を知っているし、その同級生とはあたしも顔見知りだ。
「お疲れさまですー。颯
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