プロローグ:4人兄弟姉妹、☆空レストランへ行く
結局あなたが一番最低です。会話の内容的に
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もいると話が早いねー」
「そうかー? でも結月が無事でよかったよー」
コスプレ衣装の入ったバッグをトランクに積み込み、普段通りの口調に戻ったお兄ちゃんの運転する車の中、久々の兄と妹――あたしもお兄ちゃんの妹のはずなんだけどなぁ……どうしてこうなった?――の水入らずの会話が続いていた。
なお昔からお兄ちゃんにべったり懐いていたブラコン妹によって、ブラコンどころかお兄ちゃんをパシリにし、現に今もアッシー(死語)にした姉はあっけなく、さもそれが当たり前であるかのように後部座席へと追放された。
何となくお兄ちゃんと結月の会話に横入りするのも躊躇われたあたしは手持ち無沙汰を解消すべくスマホを取り出し、都心部の交通状況を調べることにした。
ナンパ野郎から最愛の妹を守ろうとしたあの後――結果だけ言えば、目に入れても痛くないとまではいかないけど可愛い我が妹(実妹)はあっさり奪還できた。
まあ、腹筋割れてた学生時代に国体レベルの柔道、空手、剣道の選手相手に一歩も退かなかった声優オタと、刃物持った婦女暴行犯を自己防衛がてら徹底的かつ性的にも再起不能にした体術極めたサブカル女子(注:腐ってなんかいない)に、ヤる気――じゃなかった、殺る気満々で距離詰められたら、すんなり尻尾巻いて逃げるのも無理ない話。
けれどあたしが暴行犯に襲われかけたのを逆に捕まえた当時、事後に警官から「徹底的にツブしたのが金○だけだったのはちょっと問題かなぁ」と苦笑まじりに言われたのは納得できない。こっちは処女どころか命の危険を感じたっていうのに。
唯一この件でよかったと思えるのは、警察とその関係者数人にコネとツテができたこと。こんな強力な手札は普段から場に伏せておくに限るけど――思い返せばこの事件以降、あたしの処女には危機どころか喪失チャンスすら訪れてないんですけど? だからこの話はここでストップ。こんな話をしても誰も幸せにならないよ?
「そんじゃお兄ちゃん。次は聖斗迎えに行こう」
「いいよー。で、場所は?」
後部座席からのあたしの一言に、バックミラーをチラ見してお兄ちゃんは気前よく返してきた。
聖斗はお兄ちゃんとあたしの弟にして、結月の二人いる兄のうちの一人。そしてこの家族内であたしが唯一認める常識人だ。非オタだ。カノジョは……いないと思うけど、年齢=カレシいない歴のインドア志向のお姉ちゃんからすると十分にリア充だ。今朝もコスイベに参加する2歳下の妹とは違い、1歳下の弟は中学最後の夏に全力を懸けるべく野球部の県外遠征へ元気に出かけていった。
「埼玉」
「……は?」
「埼玉県さいたま市。ここまで言えばご理解いただけました?」
「い、いえっさー」
マジかー、とお兄ちゃん
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