暁 〜小説投稿サイト〜
竜門珠希は『普通』になれない
プロローグ:4人兄弟姉妹、☆空レストランへ行く
もう(声優に夢見る意味)ないじゃん……
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も幼なじみも学園のアイドルも委員長も。いいヤツだけどモテない悪友とかセクハラ教師とかも」
「いやいや、あたしの周りにそんなテンプレないし」

 ……あれ?
 そもそも今挙げられたテンプレの事例、少し学園モノに偏向してない?
 あとごめん。テンプレあった。あたしの小学生時代の担任、2年前に異動先で――(以下、よくある不祥事ゆえに自主削除)――してたわ。さすがに執行猶予付き1年3ヶ月くらいだったからもう出所してるはずだけど。

 それに、この場にはいないけどあたしには弟と妹がいるし、学校の友達数人には再婚の連れ子とかで血の繋がらない兄弟姉妹がいたり、年齢の近い義両親とかいたりするんだけど、それはそれ。あたしはあたしだ。

「でもさー、血の繋がってる兄弟姉妹でもヤることヤってるerg(ヤツ)あるじゃん?」
「まあ、一般向けにもあったりするけどね」

 ……ん?
 それとなく流したけど、今あたし、心の中読まれた?

「一般向けは恋愛の綺麗な面だけじゃん。まあ、現実での恋人・夫婦間の情と性行為の乖離に関して批判するつもりはないけどさー」
「あ、うん。うーん……」

 適当な相槌でその場を濁しつつ、あたしは思う。どうしてこの男性(ひと)は近親相姦ゲーとかセックスレスとかいった話題をさらっと、しかも家の中とはいえ、お日様の高いうちから持ち出せるんだろう?

 少なくとも、幼少期からジ○ニーズ入りをクラスメートの女子から懇願され、中・高時代は毎年のように2月14日に大量のチョコをもらい、どこぞの劇団で二枚目俳優を務められるくらいイケメンと称されていい外見を持っているのだから、それに見合った中身であってほしいのに。

 心中であたしが溜め息をついていると、一人暮らしの中、久々に我が家へ帰還したはいいけれど、家にいたのはあたしだけという――ね、誰も出迎えてくれなかった悲劇の男性(イケメン)(身内贔屓含む)はついに爆弾を投下した。

「ま、俺はどちらかといえば実妹派だけどねー」

「は? それを実妹(ほんにん)の目の前で言う?」
「いやいや。あくまでゲーム内での話だっての。ゲーム内での」

 うん。わかってた。
 大事なことだから二度言いたいのもわかる。
 さすがに日常会話や行動がダラけて間延びしているとはいえ、理性までダラけてはいない。一応これでも相手は社会人だ。仕事の中身まで今は問わないでおくけど。


「だったらなんでそこでシ○セミアを出すかなぁ。この兄は」
「そっちこそ、なんで○スガ以外を挙げるかなー。この妹は」


 ――何とも形容しがたい沈黙が、(あたし)とお兄ちゃんの間に訪れた。


「お兄ちゃん。自分と同じ顔した相手とヤるのは嫌じゃない?」
「ちょ。|トゥルー《シン○ミ
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