五十一話:母は強し
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めるのよ」
「あんたは息子に何言ってんだ」
もう、やだこの母親。母親が子供に言う台詞じゃねえよ。第一、それを言うならクロームにも……いや、クロームは誰にも渡さねえぞ。クロームが欲しい奴は俺の決別の一撃を千発食らって立っていられねえ限りは認めねえ。それと、ドMの変態はそもそも審査対象外だ。
(そんな! なぜですっ!? 千発どころか一万発は耐えてみせるというのに!)
(てめえらには効かねえからに決まってんだろうが!)
むしろ、褒美になるとか意味が分からねえよ。何で人の大切な妹を無条件どころか報酬付きで変態にやらねえといけねえんだよ。変態にやるぐらいなら俺が責任もって一生面倒見るわ。まあ、変態じゃなくても元々、誰かに渡す気はゼロに等しいんだがな。そんな事を思っているとカストカゲが『シスコン乙』と陰口をたたいてきたので足の小指に隕石を落とすついでに、傷口にデスソースを塗ってやるとしよう。きっと泣いて喜ぶこと間違いないだろう。
「お義母さん、僕がイッセー君のお嫁さんになります!」
「いいえ、お義母様。私が一誠さんの嫁です」
「お兄ちゃんは渡さない…!」
「あらあら、娘がたくさん増えてお母さん嬉しいわ」
ヴァーリが爆弾発言をしたかと思ったらユニが続き、何故かクロームもその流れに乗って来る。そして、バチバチと火花を散らしながら睨み合いをし始める女性陣。母さんはニコニコと笑いながらそんな様子を眺めるだけで俺がプレッシャーの余りに胃薬を二瓶程開けているのに気づいていない。
それにしても……いい加減、俺も腹くくらねえとな。……このカオスな空間から逃げる覚悟をな! その後、運良くカスザメからヴァリアーの仕事の電話が入ったのでこれ幸いと逃げ出す俺だった。正し、帰ったら話の続きをしましょうねと母さんにナチュラルに釘を刺された状態でだが……。
〜おまけ、ある日の教会〜
ある日の教会、本来であれば希望で満ちていなければならないその場所には絶望が満ち溢れていた。それも全てある人物によるものだった。
「おい、聞いたか!? イリナ様がイタリアに帰ってきてしまったらしいぞ!」
「嘘…だろ? また、あの組手地獄が始まるってのかよ!」
「防波堤もいない今、どうしたらいいのですか!? ああ、神よ!」
「あの……誰なんですか、それ?」
無知な新人がイリナについて聞くと、その恐ろしさを知る先輩は罪とは無知の事だと言わんばかりに怒鳴りつける。
「バッキャロー! 人類の最終兵器イリナ様を知らねえのか!」
「最強の悪魔祓いであるデュリオさんをパシリにしてミカエル様にまでバイブレーション機能を搭載させたお方だぞ。ああ……
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