五十一話:母は強し
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の胃がダメージを受けての無限ループが始まっちまうだろうが。それだけは何としてでも阻止する!
「こ、こいつらはそんなのじゃねえよ、家族だ!」
「つまり、全員共、手をつけた後ってこと? 我が息子ながら恐れ入るわ」
「そう言う意味じゃねえよ!」
「そう言えばこの前、送られてきた写真に写っていた孫の名前を考えたんだけど」
「頼むから話を聞いてください!」
少し泣きそうになりながら母さんに詰め寄る。ダメだ、いつ通りにこっちの話なんて少したりとも聞きやしない。というか、ミランダの奴『子作り爆弾』の写真、やっぱり送ってやがったのか。いつもいつも、余計な事ばかりしやがって。あれで仕事は完璧にこなすから文句も言い辛いというのが難点だ。
「ダメよ、一誠ちゃん。そんなに詰め寄られたら……ママはパパの物なんだから」
「最近、本気で母さんの遺伝子を色濃く受け継がなくてよかったと思う事があるんだが」
俺がボンゴレファミリーでもボスでもなかったらこんな母さんを持った時点で確実に家出している自信がある。ため息交じりに考えていると母さんが何を思ったのかニコニコとしながら俺を抱きしめて来る。
「もう、全然連絡とらないからママ心配したのよ。クロームちゃんは毎日メールをくれるのに一誠ちゃんは何もしないんだから」
「……ごめん、俺が悪かった。今度からは連絡するよ」
抱きしめられたせいで母親の温もりが直に感じられて、怒るのを諦めながら俺も抱きしめ返す。何だかんだいって俺はこの人の息子でこの人の事を母親として愛しているんだろうなと口には絶対しないことを内心でひっそりと考える。何やら、カストカゲが『相棒がデレた…だと?』などと言って混乱しているので後で目覚ましの意味合いも込めて足の小指に隕石を落としてやろう。一発で目が覚めること請負だ。
「今度からはちゃんと連絡をしなさい」
「……わかった。一ケ月に一回は連絡する」
その瞬間なぜか俺を拘束する腕に力が籠った。そして、まるで万力の力を徐々に上げていくかのように締め付けていく。
「長いわ。ママをウサギちゃんみたいに死なす気?」
「いや、ウサギは寂しくても死なな―――」
―――ミシリ、と骨がきしむ音が俺の耳に聞こえてくる。誰の骨の音かだと? 決まっているだろ―――俺だ! 母さんが容赦なく俺をサバ折にしようとして来ている中、必死に動いて母さんの腕の中から脱出しようとするが残念ながらビクともしない。ここで、俺と母さんが唯一似ている点、というか遺伝した部分を教えてやるとしよう。
別に現実逃避じゃねえからな。まあ、とにかくだ、俺の持って生まれた才能の内、死ぬ気の炎は父さんから遺伝したものだ。そして、母さんから遺伝した物は―――馬鹿げた身体能力だ。俺が人間でありながら人外を容赦な
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