マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0970話
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というのを言っているのだろう。
「別に攻撃する訳じゃない。奴等がどんな配置をしているのか、あるいは帝都の中がどんな具合になっているのかを調べるだけだ」
「それなら帝都の上空にいるメギロート……ふふん、なるほど」
言葉の途中で俺の意図に気が付いた美砂が悪戯っぽい笑みを浮かべてこちらを見返す。
だが、俺はそれに気が付かない振りをして言葉を続ける。
「帝都の上空にメギロートがいるのは、一応機密だ。なら、その機密を友軍だとしてもエルベ藩王国とかに知らせる必要はないだろ。それに、これから行うのはあくまでも偵察行為であって、帝国軍を攻めるんじゃないしな」
「でもアクセル君。実際にそれを攻撃だと向こうが判断して、こっちに攻撃を仕掛けてきたらどうするの?」
一応、といった感じで尋ねてくる円だったが、その口調にあるのは攻撃されるという心配ではなく、済し崩し的に戦闘に突入してしまうのではないかという心配だろう。
だが……
「攻撃って、どうやってだ? 俺達は空中に浮かんでいるシロガネにいるんだぞ? 向こうから攻撃してきてもどうしようもないだろ。投石機の類を使ったり、あるいは数少ない竜騎兵を使っても、一番外側にあるEフィールドすら突破出来ないのは確実だ。後は、敵がむざむざ物資を消耗してくれるのをここから眺めて、他の国が来るのを待っていればいいだけだ」
その言葉で話は決まり、早速とばかりにメギロートを出撃させる。
一般人と貴族の間にある不満に火を付けてやる為に。後は、ちょっとだけ無理矢理戦いに駆り出された一般人を逃がす為に。
「メギロート、1機出撃したわ」
美砂の言葉と同時に、シロガネの映像モニタに映し出される帝国軍の映像。
出撃したメギロートから中継されているものだ。
その映像は見る間に帝国軍へと近づいていく。
そんなメギロートに、帝国軍は最初呆気にとられつつもすぐに迎撃の準備を始める。
弓を構え、あるいは投石機の準備をし……だがその動きは、メギロートの速度を考えれば明らかに遅かった。
そのまま真っ直ぐに帝国軍の方へと進んでいき……やがて、自分達の迎撃の準備が間に合わないと判断したのだろう。貴族と思しき指揮官が真っ先に逃げ出す。
それを見て自分の命が危険であると知る一般人が何も行動を起こさない筈もなく、逃げ出した貴族を追いつけ追い越せとばかりに散っていく。
そうなれば、メギロートが上空を通り過ぎた付近の一般人以外も逃げ出し始め、帝国軍の前線は完全に混乱する。
勿論監視役の騎士に殴りつけられ、あるいは斬りつけられる不運な者もいる。だが、殆どの一般人はそのまま逃げ散ることに成功した。
混乱している帝国軍の合間を縫って帝都の中に戻る者もいれば、着の身着のままでその場から逃げ出す者も
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