第四十八話 薊の師その十六
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姿を現した、それは。
一体は薔薇の怪人だった、赤い薔薇と人の顔がそのまま重なっている。身体は碧でところどころに薔薇の刺がある蔦が絡まっている。
そしてもう一体は草と人が重なってだった、そのうえで。
身体の各部にハエトリソウの葉がある、その二体の怪人達がだ。
薊達の前に出て来てだ、こう言って来た。
「ここでならと思ってね」
「待っていたけれど」
「読み通りだったわね」
「懐かしの場所にね」
「まあな、人気もないしな」
それならとだ、薊も応えて言う。
「戦う場所だよな」
「そのこともあってね」
「待っていたのよ」
「今回は待ち伏せか、それなりに考えてるんだな」
「あら、酷評ね」
「それなりだなんて」
怪人達は薊の言葉に今度は軽く返した。
「これでも貴女の考えを読んで待ち伏せしたのに」
「それなりとは厳しいわね」
「別に厳しくてもいいだろ、どっちにしても戦うんだからな」
それならと返す薊だった。
「違うかかい?」
「そうね、じゃあ」
「話はこれ位にして」
「戦いましょう」
「それじゃあ」
こうしたことを話してだ、そしてだった。
薊は薔薇の怪人と対峙した、鈴蘭はハエトリソウの怪人とだ。そのうえでこの線路跡での戦いをはじめるのだった。
第四十八話 完
2015・2・1
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