暁 〜小説投稿サイト〜
ドリトル先生と二本尻尾の猫
第七幕その九
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「それが戦後日本の知識人ですか」
「そうだよ」
「質が悪いなんてものじゃないですね」
「だからね」
「お金を貰って嘘を吹聴する教授もですか」
「いたんだよ」
 先生はあらためてこのお話をするのでした。
「そうなったんだよ」
「そうですか」
「僕はその思想家は信用出来ないよ」 
 とても、というのです。
「評価に値しないと思っているよ」
「その人の本も発言も」
「そうしたこと全てが」
「読む気もないしね」
「読む必要がないですか」
「うん、何しろその教祖はね」
 こちらの人はといいますと。
「テロで多くの人を殺しただけじゃなかったんだ」
「他にもあったんですか」
「うん、自分達の悪事を探そうとした弁護士の人を家族ごと殺したりしたし」
 この悪事のこともです、先生はお話しました。
「教団内部でも一杯人を殺してお金に汚くて自分だけいいものを食べたりとか女の人達と遊んだりとかばかりで」
「人間ですらないですね」
「そしてそんな人をね」
 それこそというのです。
「偉大だとか言っていたんだよ」
「そんな人こそを」
 それこそ、と言うトミーでした。
「馬鹿って言いますよね」
「その馬鹿な人が戦後最大の思想家って言われてたんだよ」
「それが戦後の日本の知識人ですか」
「マスコミはマスコミでどんな嘘も書いてきたしね」
「何か問題になっていますね」
「慰安婦のことでね」
「あれって記者がわざと嘘書いたんですよね」
「僕もそう見ているよ」
「何ていうか」 
 それこそ、とです。また言う先生でした。
「日本の場合は普通に働いている人達の方がずっと賢いんですね」
「その通りだよ」
「知識人やマスコミの方はどうしようもないんですね」
「うん、その人達だけがね」
 それこそ、というのです。
「特別酷いよ、学校の先生達もね」
「そうなんですね」
「そうなんだよ、日本にもね」
「困ったところがあるんですね」
「僕もそのことがわかったよ」
 日本に来てそうしてです。
「本当にね」
「日本にも悪い面がありますね」
「全部がいい国もないよ」
「そうした場所もですね」
「どんな場所にも人にもいい面と悪い面があるから」
 それで、とです。先生は言うのでした。
「日本もそうなんだ」
「イギリスもそうですけれど」
「日本もだよ」
「そうですか、けれど」
「けれどだね」
「僕日本が好きです」
 そうしたどうしようもない面があるにしても、というのです。
「この国に来てよかったと思います」
「悪い部分があってもだね」
「それ以上にずっといい部分があるから」
 トミーは先生ににこりと笑って言いました。
「そう思います」
「そうだね、この国は総合的に見てとてもいい国だよ」
「居
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ