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大晦日のスノードロップ
3部分:第三章
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ていった。それから暫くして。かなりの数のスノードロップの刺繍とアクセサリーが出来上がった。
「これ、陛下にお渡しすればいいのよね」
「ええ」
「やっと出来たこれを」
 もう大晦日前になっていた。何とか間に合った形であった。
「陛下が気に入って頂けたらだけれど」
「大丈夫よ」
 リーザはにこりと笑ってマーシャに言った。
「きっと気に入って頂けるわ」 
 この言葉には何の根拠もなかった。だが彼女は確信していた。これなら、と思ったからだ。マーシャも妹のその言葉に何故か納得するものがあった。そして頷いた。
「そうね」
「ええ、だからね」
 リーザはまた言った。
「お渡ししましょう」
「ええ」
 こうして二人は役人を通してそれを女帝に渡した。この時女帝エカテリーナはツアールスコエ=セローにおいて執務を執っていた。だが民からのスノードロップを贈られたと聞いて顔をそちらに向けた。


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