sts 01 「始動、機動六課」
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が仕事なわけだから。それを両立させるのって凄く難しいんじゃ……。
「難しく考えなくていい。両方やってるといっても、頻度としては魔導師としての仕事はそれほど多くない。俺の主な仕事はそっちのシャーリーと同じメカニックだよ」
「なので、デバイスで困ったことがあれば気軽に私やショウさんに声を掛けてね」
私達フォワードは一斉に返事をした直後、不意にショウさんが持ってきていたかばんはもぞもぞを動き始める。何だろうと思っていると、ショウさんが苦笑いを浮かべながらかばんを開けた。すると中からドレスのような黒い衣服を纏った小さな女の子が宙を舞う。長い金髪が日光を反射してとても煌びやかだ。
えっと……この子はリインフォースU空曹長みたいな感じなのかな。
いやでも、機動六課の制服は着てないから一緒にするのはいけないような……、そんな風に思っていると、金髪の女の子が話し始める。
「もうマスター、六課に着いたのならかばんから出してよね」
「悪かったよ」
「本当にそう思ってる? こっちは大変だったんだよ。マスターが走っている間、かばんの中でひどい目に遭ってたんだから」
流暢な物言いと感情溢れる表情に私はつい意識を持っていかれる。いや、どうやら私だけでなくティア達も一緒のようだ。
「えっと……夜月特殊魔導技官、その子は?」
「ん? あぁこいつは俺のデバイスだよ」
デバイス……この小さな女の子がショウさんのデバイスなんだ。いやまぁ……デバイスにも色々とあるし、人型のフレームも開発されてそれなりに経つとか座学で習ったような記憶があるけど。でも……何だろう、ショウさんみたいな人が持っているのは意外だ。
「ファラ、これから顔を合わせることが多くなるんだからちゃんと挨拶しとけ」
「言われなくてもわかってるよ。はじめまして、ファントムブラスター・ブレイブです。フルネームだと長いですし、みんなからはファラって呼ばれているのでそう呼んでくれると嬉しいです。今日からマスター共々よろしくお願いします」
口調は親しみやすいが、頭を下げる際の仕草にはとても優雅さが感じられた。一言で言えば、どこぞのお嬢様という感じだ。礼儀正しい性格をしているのか、それともショウさんが教え込んだのか……どちらにせよ、とても人間染みたデバイスである。
丁寧に挨拶をされたせいか、私達は反射的に頭を下げながら挨拶を返した。
「あぁそれと、俺のことは気軽に呼んでくれていい。特殊魔導技官なんて付けられても長ったらしい上に堅苦しいし、知名度もあまりないから」
「ちょっと無愛想に見えるかもしれないけど、こう見えて優しい人だから下の名前で呼んで大丈夫だよ」
直後、なのはさんにショウさんは何か言いたげな視線を向ける。だがなのはさんはそれを笑って受け流した。
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