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ダンジョンに出会いを求めるのは間違っていた。
第十六話
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リア】に所属したままです」

 二度目の衝撃。そのファミリアの名はクレア・パールスの代名詞でもある。彼女が最初で最後のメンバーとしてオラリオから姿を消した、伝説のファミリア。クレア・パールスが冒険者になった理由の一つでもある『主神の顔を立てること』をこれ以上ないレベルで達成したと言えるだろう。

 その主神は俗説では天界に帰ったということらしいけど……。

「私がここオラリオに戻ってきた理由は、セレーネ様と再会することです。しかし、セレーネ様は……」

 その事実を認めたくないことを、裾を握り締める拳が物語っていた。
 
「私が冒険者になった理由はセレーネ様を探すためです。上級冒険者になれば何かと優遇されますし、どこかとパイプも繋げられますし」

 冒険者は実力主義の世界だ。力即ち権力とも言えるだろう。最近の例で言えば【ゼウス・ファミリア】と【ヘラ・ファミリア】の追放が、まさにそれだ。つい十五年ほど前までは覇権を握っていた両ファミリアが《隻眼の竜》に壊滅されて、二番手を争っていた【ロキ・ファミリア】と【フレイヤ・ファミリア】が両ファミリアをオラリオから追放したのだ。実力があれば権力もある、しかし実力が無ければ権力もない。冒険者とはそういう世界に住む住人だ。

「ちょっと待って。レイナちゃん……いえ、クレアさんはLv.10ということよね」

 【セレーネ・ファミリア】所属ということは、主神セレーネから神の恩恵(ファルナ)を受け続けているということだ。【ヒリング・パルス】はLv.5のときに発現したという話だし、あの移動速度は無駄を削ぎ落としたからと言えど腑に落ちないものがあった。
 私の確かめは、レイナに呆気なく否定された。

「いえ、そこは正真正銘Lv.1なんです。基本アビリティ以外前世のままなんですがね」

 あとレイナでお願いします、と少し悲しそうな笑みで言われた。まあ、確かにLv.10のままだったらあの花たちを片手間に潰すことくらいできただろうし、逃走中も疲れることもなかったはず。
 でも、そうなると移動速度はステイタス頼りではなく、己の体術のみで実現していたことになる。帰還途中で行っていた【水連】なる技術も純然たる体術らしいから、つくづく恐ろしい。

「私も詳しいことは解らないのですが、前世で息を引き取る三日前に【転生】というスキルが前触れ無く発現しまして……」
「そのままの意味だった、ということかしら」
「はい。それでも不可解な点が残ってますし、発動した途端にステイタス欄から消えましたし……」

 死んだ後に新たな生命に魂が宿る。極東辺りで盛んに信仰されている宗教の教えにあった考えだったはずだけど、本当にそういった現象があると解れば教徒は大喜びで更に熱心に信仰することだろう。まあ、そんなスキル
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