第十二話
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「色々な意味で帰れませんよ!? とにかく帰りましょうよ! 神様が恥も外聞も捨てちゃいけませんよ!?」
「相変わらず変わった神様だね……」
「良かった……私、頑張って本当に良かった……」
やはり自分が崇拝する神様に働かせるのは色々辛い。ベル君には悪いけど、もう少し頑張ろうよ……。セレーネ様が働いてたらそれこそ首吊りもんだよ……。
二人でやんややんやと騒いでいたところ店員から「新入りさぼってんじゃねぇぞ!」と一喝入り、ヘスティア様がベル君の拘束を振り払って店内に逃げ去っていった。
何だか気まずい雰囲気に包まれながらも一フロアずつ上がっていき、八階まで見て回った。溢れんばかりの冒険者たちにベルが気圧されながらも武具を見て回る。エイナの説明通り新人冒険者でも手が届く値段を見るたびにベルが信じられないという呟きを零しながら一つ一つ見ていく。
途中でエイナが広く探した方がいいものが見つかると申し出て、私とベル二人で見て回ることになった。
「レ、レイナさんは防具何着けてるんですかっ?」
「結構軽装ですよ。腕当て、帯、レグス……こんなところです」
前世ではもう少し重い装備を着けていたんだけど、今はお金を貯めてるから防具にあまりお金を回していない。元々槍を使うときはなるべく速く動けるようにした方が良いから、そういう意味も兼ねて軽装にしてる。
「へ、へぇー」とぎこちない相槌を返すベルだけど、ダンジョンで少なくない回数会ってるから知ってるもんだと思ってた。まあバベルの中をあまり詳しく知らなかったくらいだし、そういうもんか。
深く考えずに少し気になった武器を手に取ってみようとして、思わず反射的に手を引っ込める。不可解な動作をしたベルが不思議そうに眉を寄せたけど、もはや私にとってトラウマレベルだから気にしないで欲しい。
購入目的以外の接触禁止はロゴが刻まれてるやつだけだって解ってるんだけど、どうしてもね……。改めて手に取った槍を見回して値札を見ると15000ヴァリス、結構お手軽だ。罰金のめどがたったときに買ってみようかな。というか、罰金払えるくらい稼げてたらもう少し高い装備買えるか。
ベルはベルの方で気に入った装備を見つけられたようだし、冒険者の心を掴むのが上手いね【ヘファイストス・ファミリア】は。
「ベル君も軽装ですよね。やっぱり動きやすさを重視したりするんですか?」
ベルの視線を奪っている装備を見てみると、要所だけ守る仕様になっていて、中々軽そうである。
ベルは私の声に慌てて視線を上げて答える。
「は、はいっ、僕、ナイフを使うんで、軽い方がいいっていうか!」
「……?」
何でさっきから声が上ずってるんだろ? 私、何か変なことしたっけか。
「なんか、大丈夫ですか? 心なしか顔
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