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ダンジョンに出会いを求めるのは間違っていた。
第十二話
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ることが出来なかったのである。
 流れとしては 【ヘファイストス・ファミリア】からギルドに苦情が入った→私だと特定された→私は【ガネーシャ・ファミリア】に責任転嫁しようと試みた→【ガネーシャ・ファミリア】はしらを切った→失敗 である。

 何でしらを切り通せたのか甚だ疑問だったが、ギルド側から今回の事件の審査が入り、少なくとも【ガネーシャ・ファミリア】の管理に問題があったと指摘があり、私が背負った賠償の半分を肩代わりすることで落ち着いた。
 
 私はぜんぜん落ち着いてないんだけど!? おかしいよね? 私被害者だよ? 何で罰金が課せられるの? おかしい、おかしいよ、おかしいよねの三段活用!

 ギルドでは無所属と処理されている私に後ろ盾と呼べる存在は全く無いため、大人の事情にもみくちゃにされて今に至る。全く解せん。私も大人なんですけどね? 見た目は子供、頭脳は大人! みたいな。言っても全然信用してくれなくてきれそう。

 で、無所属の少女が莫大な罰金を背負ったと聞いたエイナが何事だとこの一件を調べ、被告者─断固被害者ですけど─たる私の名前を見てアドバイザー担当者だということで召集を受けてお説教を食らってる。しつこいようだけど、解せん。

 不満な態度をぷんぷん醸しながら事の流れを説明すると、さすが良識あるアドバイザーエイナは気遣う顔色に変えてため息を付いた。

「それは本当に災難と言わざるをを得ないけど……」
「けど?」
「な・ん・で、どこのファミリアにも所属しないでダンジョンに潜ったのかなぁ?」

 そういえばファミリアに所属するまでダンジョンに潜るのは厳禁、入団したら即エイナに報告、的なことを厳命されてた気がするなぁ……。
 歳ボケしてました、ごめんあそばせっ! なんて言ってもぶっ叩かれるだけなので黙ってばつが悪そうな顔を浮かべる。

 私の顔を見て言及するのを憚られたのか唇を尖らせながらも乗り出していた身を引っ込めたエイナは眉間に指を添えた。

「一万歩譲ってそれは良いけど、一番解せないのがレイナちゃんがソロでトロールを倒したっていうところなんだけど……」

 そう、今回私の冤罪を晴らせなかった一番の原因がそこだ。【ガネーシャ・ファミリア】が冒険者駆け出しのひよっこがLv.2のトロールという格上の敵を倒せるはずが無いと主張して、あろうことか私が武器を盗むためのでっち上げだと反論してきたのだ。
 私としてはたまったもんじゃないけど、一般的な目で見れば確かに不可解な点であるのは変わりなく、ギルドもそのことについて懸念して半額という処置を下したのだ。私は目撃者であるアイズを呼んで来いと言ったんだけど、駆け出しのお前ごときが【剣姫】と知り合いのはずがない、妄言も大概にしろと断じられて終了した。酷すぎじゃないかな?
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