第九話
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言わなかった。やはり、あまりにも情けないことだったからだ。
神様も僕の暗い感情を感じ取ったのか、何も触れずに「次からそんな無謀なこと、絶対にするんじゃないぞ」と言っただけで済ませてくれた。
その次が問題だった。
「ベル君、君がそんなにボロボロになっているのも一大事だけど、ボクにとってはこの女の子が一緒にいることがもっと一大事なんだけど」
「ですから、私はただベル君のホームに送り届けただけで……」
「ベっ、ベル君っ!? 君、今確かにベル君って言ったなっ!? 知り合って間もないのに、そんな親しげに呼ぶなんてっ、どういうことなんだいベル君!!」
「レイナさんが言う通りですよ!? そこに余地はありません!?」
むぅ〜、とそれでも怪しむ表情を隠そうともしない神様は「何だってベル君の周りに絶世の美少女が寄って集ってくるんだ確かにベル君は可愛いけどそれでも程って言うものがあるだろうにベル君本人はそれを謎にも思ってないし本当にダンジョンに出会いを求めるのは間違っていないのか!?」よく聞き取れない声でぶつぶつと呟いていたけど、神様本人の中で決着が付いたのか、一つ大きなため息を付いて瞑目した。
「……解った。ベル君が言うなら信じよう」
「あの、私何か変なことしたでしょうか……?」
「念のために聞いておくけどレイナ何某君、君はベル君に対して非常に危険な想いを寄せていたりしないだろうね?」
「危険……? 私はベル君に危害を加えようなんて微塵も思ってませんよ?」
「うむ、なら良し」
何だか会話が繋がっていたような繋がっていなかったような……。
「ところでレイナさんはどこのファミリアに所属しているんですか」
「えっ? 私ですか? いえ……私はまだどこにも所属していません」
「ほ、本当ですか!?」
思わず身を乗り出してしまったけど、これは仕方の無いことだよね!
「なら僕たち【ヘスティア・ファミリア】に入りませんか!?」
「こ、こらー!! ベル君っ、主神の意思を聞かずに誘うでなーい!!」
「あー、せっかくの誘いですがごめんなさい、まだ探している途中なんです」
「あ……そうなんだ、ごめんね」
「誘ってくれてありがとうございます。あ……そろそろ時間も時間なので、私はここら辺で失礼します」
壁に掛けられている時計を見やったレイナさんは換金したことでずいぶん萎れたバックパックを背負ってペコリと頭を下げた。
あぁ……凄く可愛いし清楚としてるし何て優しい人なんだ……っていかんいかん、僕はもうハーレムなんて道は間違っていると知ったんだ! アイズさん一筋だぞ! うん。
「あ、レイナさん、良ければ今度一緒にダンジョンに行きませんか?」
「ええ、良
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