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ダンジョンに出会いを求めるのは間違っていた。
第七話
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たんだ! 彼女から直接話を聞ければすぐにセレーネ様の居場所を突き止められる!

「あの……」

 でも焦るな。今の私はレイナ・シュワルツ。ロキ様の知るクレア・パールスじゃない。まずは私の事情を知ってもらうこと、いや、大前提としてこの容姿ではロキ様とは初対面だ。いきなりそんなことを持ち出しても持ち合ってくれるどころか、鬱陶しい奴だと認識されて今後一切関わらないと決められたら最悪だ。
 ひとまず地面に座り込みながら「キャー!」と黄色い声を上げるロキ様に声を掛けると「ん?」と私に目を見やり、そして「おぉ!」と声を漏らした。

 も、もしかして私が解るの!? さすがロキs───

「めっっちゃ可愛ぇなあんた!! なぁなぁ、名前なんて言うん? うちはロキや! せや、うちのファミリアに入らへん!? あんたならうち大歓迎やわぁ!」

 ───訂正、やっぱりロキ様はロキ様だった。別に失望したわけじゃない。ただ、やっぱりロキ様だっただけだ。

「……私はレイナ・シュワルツといいます」
「レイナたん、レイナたんな! よっしゃうち覚えたで! うん、レイナたん中々良(え)ぇ目をしとるなぁ! 見た目中身バッチリオーケーや! ほな早速うちの自慢の子たちに紹介したるわ!」
「え、ちょ、あの」

 どんだけ自由奔放なんだこの神様!? 仮にも頂点に君臨するファミリアを率いる主神でしょ!? 審査基準がめっちゃ適当なんだけど!? ていうか私の話丸っきり聞いてないし、ってよく鼻を利かせれば酒臭いぞこの神様!? さては大好きな酒をラッパ飲みでもしたな! すぐに酔っちゃうのに強がって飲むから酒癖悪いって言われてるの知らないでしょ!?

 心の中でどれだけのツッコミを我慢したか……。全力で言いたいのを我慢するように歯を食いしばる。ぱっと立ち上がったロキ様がナチュナルに私の肩をやんわり抱いて、しかし有無を言わさぬ何かを以って私を店内に連れて行く。
 金髪の少女が若干申し訳なさそうに瞳を伏せており、これがファミリアの皆にとっていつものことなんだなぁと察する。

 そして、その店の中もまた異様だった。
 見ると、「ぐおおおおおおおおおおお!?」と叫ぶ見覚えのある狼人の青年がみなの手で取り押さえられていて、縄でぐるぐる巻きに去れてエルフのお姉さんに頭を踏みつけられていた。

 ど、どうなってんのこれぇ……?

「皆ー! ちと聞いてくれぇー!」

 他の客はその騒ぎをはやしたてていたが、ロキ様の不思議と良く通る声に店内の客とウェイトレス全員が一斉に振り向いた。
 そして、狼人の青年も「足どけろババァ!」と罵声を浴びせてから目線だけ寄越すと、ついさっきまでボコボコにされていたのは嘘だったかのように縄を引き千切り勢い良く立ち上がった。

「て、てめぇ!?
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